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ナイキやNB参入 マラソン五輪シューズ戦争の熾烈な争い (1/2ページ)

 16年ぶりの日本最高記録更新に沸く男子マラソン界。東京五輪日本代表を決める2019年秋のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)に先駆け、選手たちの“足元”では熾烈な争いが始まっている。

 2月25日の東京マラソンで、マラソン挑戦からわずか1年の設楽悠太(Honda)が2時間6分11秒と日本記録を更新。日本人トップ(全体2位)でゴールした。住友電工陸上競技部監督の渡辺康幸氏は快走の理由の1つとして、「走り方」を挙げた。

 「設楽君は終盤まで、『フォアフット走法』を崩しませんでした。アフリカ出身の選手に特有の走り方で、前傾姿勢を保ったまま足のつま先から接地します。そして足裏中央まで地面についたところで跳ねずに前に進むという、スプリントのような走り方で、力のロスが少なくて済む。体の作りが違う日本選手がこの走法を42km維持するのは困難で、ほとんどの選手がかかとから着地をしている。ただ設楽君のような特別な素質のある走者は、早くからこの走法を身につけています」

 東洋大のエースとして箱根駅伝連覇に貢献し、将来を期待されてきた天才の“開花”とともに注目されているのが、その走りを足元で支える「新シューズ」の存在だ。設楽が履いていたのは『ナイキズーム ヴェイパーフライ4%(VF4%)』。男子マラソン2時間切りを目指す米ナイキのプロジェクト「ブレイキング2」のために開発され、昨年12月の福岡国際マラソンで2時間7分19秒を叩き出した大迫傑(ナイキ・オレゴンプロジェクト)もこの靴を履いて結果を出している。

 早稲田大学時代の大迫を監督として指導した渡辺氏はこう続ける。

 「VF4%はかかと周りのソールがこれまでになく厚い。脚へのダメージも少なく、回復も早いから効率よく試合と練習を繰り返せるメリットもある。フォアフットの強みを最大限に引き出せるのです」

 ◆黒船・ナイキvs伝統のアシックス

 日本の長距離界ではこれまで、軽量で反発力の強い薄いソールの靴が主流だった。箱根駅伝で4連覇を達成した青学大もアディダスと専属契約(昨年3月まで)していた「最強の靴職人」こと三村仁司氏監修の薄底シューズで揃えていた。三村氏のシューズは高橋尚子、野口みずきが五輪金メダルを獲得した際に使用したものとして知られている。走法も足裏中央で接地する「ミッドフット着地」が理想とされてきた。

NEWSポストセブン
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