AI時代の発想術

グーグル、フェイスブック…芸術家を社員登用するIT業界トップ企業の目算

SXSWの会場で学生と(中央が筆者)

グーグルやフェイスブックなどIT業界のトップ企業は、芸術家を社員に採用し始めている。IT業界はAI(人工知能)開発競争の真っただ中だが、AIが一般に普及する10年後にはIT業界の自然淘汰(とうた)が始まる。AIをパートナーにすれば少人数の会社でも十分にITビジネスができることが見えているからだ。そのとき、AIと最も共存できる存在が芸術家だというのが多くの関係者の予測だ。

データやマニュアル、そしてルールの世界だけなら、人間はAIには勝てない。だが、答えのない「感性」を表現する世界なら、人間の天下である。

感性が繰り出す「こんな世界があったら…」や「こんな気持ち」などを表現できるのが芸術だ。

芸術家はまず、自分の感性をイメージする。次にその感性を「他人にもわかるように表現する」段階に入る。その表現する方法をAIと共同で試行錯誤しながら形作っていくのが、新しい時代の開発手法だ。

つまり、人間の妄想したことをAIが文字や絵、音楽、商品、サービスにする手助けをするということだ。クリエーティブで芸術的な能力を持つ人が、AIをパートナーに新しいビジネスを創り出す時代が近づいている。

私は3月に米テキサス州オースティンで開催された「SXSW」(サウス・バイ・サウスウエスト)に行った。SXSWは街ぐるみで音楽や映画、サブカルチャーやデジタルなどの展示を行う大イベントだ。従来型の講演や物販イベントとは根底から異なる、先端技術と芸術作品を企業や個人が発表する祭典である。Uber(ウーバー)をはじめとする新時代のビジネスは、ここを登竜門に続々と生まれている。

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