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【経済快説】「接待」の効用と限界は? なかなか注文くれなかった相手が接待したら… (2/2ページ)

 先の外資系証券会社にも、バブルの頃は1日に3度(昼に1度、夜に2度)お酒と食事で運用会社を接待して注文を取るセールスマンがいた。「俺の肝臓は武器だ」と彼は言っていた。

 もちろん、ルール上、相手がこちらが期待するほどメリットを差配できない場合もあるし、接待に対する「感応度」が高くない相手もいる。接待が常に有効とは限らない。

 また、接待にも競争があり、競争が激化すると接待の価値が落ちる。医薬セールス(いわゆる「MR」)の世界では、数年前から医師等への接待を自粛するルールができた。

 接待には必ず「目的」がある。これを意識しないで接待を受けるのは間抜けだし、相手の目的を意識しながらの飲食はうれしくない。接待は、するのも、されるのも、気分のいいものではない。

 一方、飲食では「割り勘」よりも誰かが払う関係の方が精神的に豊かだ。払う側にはいい気分が残り、払われた側には感謝が残る。払われた側は、別の機会に払うといいし、先輩の恩を後輩に返すような関係でもいい。飲食は、接待ではなく、払ったり、払われたりする関係でおおらかに楽しみたい。(経済評論家・山崎元)

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