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【サラリーマンサバイバル術】災害時の手当や保険の扱いは? 「労災保険」は作業方法や環境、事業場施設の状況などから判定

 【Q】 自然災害で事業場が直接被災して休業した場合、賃金・休業手当などの取り扱いはどうなるのでしょうか。災害により、工場での作業中にけがをした場合、労災保険給付の適用はあるのでしょうか。(製造業、男性)

 【A】 7月初旬、西日本豪雨災害により多くの方が犠牲となられました。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 質問のような災害に関わるワークルールを、いくつか簡潔に整理しておきたいと思います。

 最初の質問の「休業した場合」については、休業に至った理由によって、賃金や休業手当の支払義務が発生する場合と、しない場合があります。例えば、工場が災害で損壊して全く操業できないといった不可抗力の場合は、「使用者の責めに帰すべき事由」とはいえないので、会社に休業手当の支払義務は発生しません。

 ただし、これは労働条件の最低基準を定める労働基準法の取り扱いです。労働協約や就業規則で、別途、賃金や休業手当などについて定めている場合は取り扱いが異なります。

 次の質問の「労災保険」は、作業方法や作業環境、事業場施設の状況などからみて、危険な環境下にあることで被災したと認められる場合に「業務上の災害」となります。阪神大震災や東日本大震災に際して発生した災害についても、地震に際して当該災害を被りやすい業務上の事情(危険)があったとして、多くが「業務上」との認定を受けました。

 ほかにも、例えば、もし災害により工場が倒壊して会社も倒産してしまい、退職せざるを得なくなった場合、未払いの賃金や退職金はどうなるのか、という心配もあるかと思います。この場合、労働者が勤務先に対して有する賃金債権(退職金規程があるときは、退職金を含む)は、「先取特権」として保護され(民法308条、306条)、倒産手続きの中では優先的に保護する規定が定められています。未払い賃金の立替払制度の活用も参考になればと思います。雇用保険の受給手続きは、最寄りのハローワークにご相談ください。

 労働のことで困ったことがあったら、「連合なんでも労働相談ダイヤル」(フリーダイヤル0120・154・052)にご相談ください。(連合企画局・小林司)

 ■サラリーマンの相談に日本労働組合総連合会の専門スタッフがお答えします。はがきに質問、職業、年齢を明記し、〒100-8160 夕刊フジ報道部「サバイバル術」係まで。匿名でも受け付けます。

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