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【経済快説】リーマンから10年…「バブル」と「不良債権」は今後も発生する (2/2ページ)

 金融危機による景気停滞は、米・欧・日の順で行われた大規模な金融緩和政策によって大筋では解消した。また、金融機関のレバレッジに対する制限が強化されたことで、リーマンのような大手金融機関が破綻して経済に広範な悪影響が及ぶリスクは縮小した。

 しかし、政策的にもたらされた低金利は不動産や株式をはじめとする資産の価格の上昇につながり、また、レバレッジが低下したとはいえ、金融マン個々の利害を見ると、質の悪い借り手に対する信用拡大を抑止する仕組みはできていない。前回よりも緩やかであるかもしれないが、「バブル」(資産価格の高騰現象)の起こる芽が摘まれたとはいえない。

 先日、第三者委員会による報告が行われたスルガ銀行のケースは、米国のサブプライム問題の背景にあった「不良な信用の拡大」と同じ構造だ。不正に関わった個々の行員も、不正を知りつつ営業成績を求めた経営者も、自己の利益追求から不良な信用拡大に走った。

 スルガほど大規模で直接的な不正に手を染めるケースはまれだとしても、不動産向けの不良で過大な与信の拡大は、他の金融機関にもある。

 「バブル」とその崩壊後の「不良債権」を抑止する技術は、いまだ確立されたとは言い難い。(経済評論家・山崎元)

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