記事詳細

【経済快説】貴乃花親方がサラリーマンに残した「3つの教訓」  (2/2ページ)

 貴乃花親方に足りなかったものがあるとすると、(1)確かな証拠(2)組織内の味方(3)組織外の確かな応援者-の3つではないだろうか。

 現役力士の意図的な無気力相撲や、あるいは貴ノ岩が受けた暴行について問題を提起する際に、物証や証言で確実に立証できるのがどこまでなのかについて、貴乃花親方はもっと証拠固めをしてから告発を行うべきだったように思う。相手側も必死なのだから、甘く見てはいけない。

 また、自分は正しいのだから相撲協会内に賛同者は必要ないと思ったのかもしれないが、自分の主張を対外的に裏書きする上でも、組織内の情報を知る上でも、彼は相撲協会内にもっと味方を持ちたかった。

 もっとも、政府でも会社でも、権力者とその周辺は、組織内で誰も自分に反対させないように人事権と圧力を行使する。味方を作ったつもりでも、告発者が安心してはいけない。

 また、組織内だけでは勝てない場合、内部告発者は外に協力者を持つことが絶対的に必要なのだが、主なメディアには相撲協会と悪くない関係を保ちたいという利害関係がある。貴乃花親方がメディアを都合良く使うことは容易ではなかった。

 結局、貴乃花親方は、理詰めで勝つためには準備不足だったのだ。元大横綱には申し訳ないが、「独り相撲」という単語が頭に浮かんだ。(経済評論家・山崎元)

関連ニュース