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【榊淳司 マンション業界の秘密】都心エリアでも始まった「新築」「中古」の価格乖離 (2/2ページ)

 しかし、中古の価格はさほど上がりきっていない。高値で売り出されている物件は多いが、成約事例は少ない。つまり、都心エリアでも新築と中古の市場価格は乖離し始めている。

 従来、新築と中古の価格差は郊外エリアで顕著だった。都心から鉄道の乗車時間が50分エリアでは、中古が1000万円台だが、新築はどうしても3000万円台になる。価格差が2倍以上に開いたので、郊外エリアでの新築の開発事業は困難になってしまった。供給戸数は激減。

 このような流れが、いよいよ東京や大阪の都心にまで及んできた。その結果はどうなるのか。

 新築と中古の価格差が広がると、新築の売れ行きが鈍る。だから開発事業がやりにくくなる。市場への供給戸数が減る。

 そうなれば新築という商品形態が特殊化する。新築にこだわる一部の富裕層が趣味的に購入する商品になるのだ。

 このまま新築マンションの価格高騰が続けば、新築と中古の価格乖離はますます顕著になる。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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