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【田村秀男 お金は知っている】“中国伝統”知財権侵害をトランプ氏は変えられる? 専門家「こちらが出れば下がり、引けば出てくる」 引いてばかりの日本 (2/2ページ)

 香港の骨董街の店をのぞいてみると、秦、漢時代と称する置物が所狭しとばかり並んでいる。値は1万円以下で安い。店のオヤジさんに「こんな値段で出るはずはない。偽物だよね」と話しかけると、「そうだよ。でもね、中国ではね、コピーはいつの世もある。漢の時代のオリジナルが、宋、明、清、さらに現代というふうに繰り返しコピーされてきたのさ。偽物の偽物というわけだね」と。要するに偽物づくりは中国の伝統文化なのである。

 ハイテクの窃盗やサイバー攻撃や技術提供の強要をやめるよう強く抗議しても、その伝統の上に立つ共産党政権や組織自体が知財権侵害に手を染め、指令し、実行している。

 トランプ政権はオバマ前政権までの失敗を見て、習政権をぎりぎりまで追いつめる作戦に出た。その最大の武器が制裁関税である。トランプ氏はすでに2500億ドルの対中輸入に制裁し、さらに残る対中輸入2650億ドル分についても制裁準備を指示済みだ。

 背景には、共和党の中国専門家のトランプ政権への助言がある。それは、「中国人は相手が一歩下がれば、二歩前に出る。こちらが二歩前に出れば一歩下がる」。今回も制裁関税の追加をちらつかせた上で譲歩を引き出す作戦で、相手の譲歩内容次第で制裁を緩めることはない。

 対照的に日本の対中姿勢は「協力」「協調」一点張りで、「強硬」は一切ない。北京から見れば、日本は絶えず後に引いているのだから、前に押し寄せてくるはずだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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