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【経済快説】“平成の名経営者”孫正義氏の手腕  (1/2ページ)

 平成の時代を代表する経営者を1人挙げよと問われたら、筆者は文句なくソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏を挙げる。

 一代でソフトバンクグループを築き上げた実績と、経営行動のスケールが大きい点で孫氏に並ぶ経営者は思い浮かばない。あえて次点を挙げるならファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が思い浮かぶ程度だ。

 筆者が孫氏の存在を知ったのは、同氏が、パソコン・ソフトの流通と「Oh!PC」などの出版を手掛けていた1980年代のことだが、その後、情報ビジネスの中心がハードからソフトに移る80年代から90年代前半、インターネットが中心になる90年代後半から2000年代へと、常に時代に先駆けてビジネスと投資を動かしてきた先見性と手腕は見事なものだった。

 孫氏の素晴らしさは、経営と投資の両方に秀でていることだ。両方が得意な経営者はなかなかいるものではない。先見性を土台に、経営では交渉力とコミュニケーション力が、投資にあっては日本の経営者にはまれなレベルの度胸が強みだ。

 ヤフーBBのモデムの無料配布のような奇策や、いち早くiPhone(アイフォーン)に目を付けてこれをソフトバンクに持ってきた交渉力は見事だった。

 投資の眼力とスケールは突出している。初期のヤフーやアリババなどに対する純投資の大成功もあれば、ボーダフォン、スプリント、アームなど1兆円を超える事業投資を大きな借り入れを使いながら何度も行ってきた胆力も素晴らしい。

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