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【経済快説】“平成の名経営者”孫正義氏の手腕  (2/2ページ)

 一方、孫氏といえども無謬(むびゅう)だったわけではない。テレビ局への出資構想が反発を呼んだり、高額報酬で後継者候補として招聘(しょうへい)したニケシュ・アローラ氏への代替わりを止めたりといった失敗に見える出来事もあったが、いずれも立ち直っている。

 アローラ氏への経営交代の撤回は、孫氏が自らの経営意欲を再確認したという意味で、結果的には悪くないイベントだったのかもしれない。

 さて、投資の天才である孫氏が、今度はグループの中核会社であり日本の3大携帯キャリアの一角をなすソフトバンクの株式を19日に上場。37%売却し、売り出される株式の金額は最大約2兆6000億円となった。

 売り出し価格の1株1500円は、投資対象として妙味はあるか。代表的な株価判断指標であるPER(株価収益率)は約17倍、PBR(株価純資産倍率)は約9・6倍と株価には割高感があるが、配当利回りが約5%と高い点が魅力だとの世評だ。

 投資の天才が「売ってもいい」と思うビジネスなのだから買いたくない、というのが筆者の第一感だが、もちろん先行きは分からない。投資に関する判断は読者が自らの責任で行ってほしい。(経済評論家・山崎元)

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