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【新・兜町INSIDE】挑発!?有効な規制策なし…広がる「ステルス大株主」警戒

 トヨタ自動車が8日に業績開示を終え、決算発表は峠を越えた。今後は6月の定時株主総会に向けて、株主還元を増やしたい投資ファンドとキャッシュ流出を嫌う企業の綱引きが始まる。

 投資ファンドが企業に利益還元強化をのませる伝統的な手法は、大量取得した株式を元に株主提案を突き付けること。あえて発行済み株式の5%超を取得して法定開示書類である大量保有報告書にファンドの名前を載せ、企業経営陣に圧力をかけるやり方だ。

 ただ、最近は金融技術の発達と外資系証券の営業強化で、株価変動リスクを負わずに議決権を取得したり、株式から分離した議決権を外部に一時移転したりすることで開示義務を回避する手法が広がっており、企業が知らないうちに大量の株式を保有する「ステルス大株主」が増えているようだ。

 金融庁内部では「会社法の体系に対する挑発だ」との声も聞かれるが、有効な規制策は今のところない。昨年は投信会社や保険会社などの機関投資家が増配提案に賛同するケースが多かったが、今年はさらに攻防が激化しそうだ。

 【2019年5月10日発行紙面から】

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