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【経済快説】キャッシュレス決済といかに付き合う? 適応へのヒントは「現金が持つ長所」の意識 (2/2ページ)

 キャッシュレス決済を多用するようになると、お金の使い過ぎが誘発されやすい。リボルビング払いやローンの利用などで金利を支払う状況に陥る人がそれなりに発生するだろう。利用者に借金の残高を持たせて金利を取ることが業者側のビジネスモデルの一部になるので、支出の自己管理は重要だ。支出のコントロールができる人にとっては、例えば利用明細の残るキャッシュレス決済を使うことで家計簿的なデータを簡単に集めることができるようになる。これまでにも、クレジットカードに支出を集中して利用明細を支出記録代わりに活用している人はいた。

 支出額の自己管理を意識的に行うようにすることと、次にキャッシュレス決済を通じて集まるデータを家計の管理に利用できるようになることを目指そう。

 現金のもう1つの長所は、先の第2の欠点と裏腹の関係にあるが、取引の匿名性だ。キャッシュレス決済は、利用者がリアルな店舗で行う詳細な購買行動データを決済業者に提供することになる。現在のパソコンやスマートフォンの利用でも、ネット通販業者からの「リコメンド」が頻繁に届いたり、ウェブページを見る度に検索エンジンを通じて過去に見た商品の広告に追い回されたりといった経験をされている方は多いにちがいない。キャッシュレス決済時代のマーケティングは今よりもはるかに周到で徹底的なものになるだろう。ユーザーの側では「勧められたモノはまず疑う」というくらいの「アンチマーケティングのマインドセット」が重要になる。(経済評論家・山崎元)

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