記事詳細

【こんな時代のヒット力】60年変わらぬ品質でブーム牽引 マルハニチロ月花シリーズ「さば缶」 (1/2ページ)

 おじさんの酒の友、さば缶が大ブームだ。消費の主役はおじさんではなく、若い女性。2017年には、魚の缶詰の王者、ツナ缶(マグロ)の生産高を抜き、さば缶が王者となった。冷凍食品に押され、長く停滞していたさば缶市場は1年で1・5倍の240億円に拡大している。

 ブームを牽引するのは、マルハニチロ(東京都江東区)の高級ブランド「月花」シリーズ。水煮、煮付け、味噌煮の3種類あるが、中心は脂の乗った大型の国産さばと天日塩だけで、さば本来の旨味を引き出した水煮である。

 「月花」シリーズの売り上げは前年同期比で136%に増加。それを受けて「全国の販売店で品薄状態になった」(家庭用加工食品ユニット・グロッサリー事業部市販用缶詰課課長役、原田卓馬氏)という。

 「月花」は昭和30年代、輸出用に新鮮なさばを水煮の缶詰に加工したことが始まり。ブランド名は当時、品質の等級を表す呼称だった「フラワー・ムーン(月花)」からとった。作り方も味付けも60年以上変わらず、「さば缶100円の時代にも高品質を維持し、値段を下げずにきた」。同社を代表する高級缶詰だ。

 同社では、缶詰が売れない時代から、さばは栄養素が豊富で、さば缶は生さばより栄養価が高いことを伝えてきた。「商品パッケージにそのことを掲載。ホームページでも栄養や水煮を使ったレシピを紹介するなど、ことあるごとに繰り返し、地道に訴えて続けてきた」。

関連ニュース