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【経済快説】「老後2000万円」奇妙な形で暴走中… 金融庁は政治家にビビるな! (1/2ページ)

 筆者は、官僚や官僚組織を応援することはめったにないのだが、本稿では、金融庁と厚生労働省を応援しようと思う。

 「老後2000万円」報告書問題が何とも奇妙な形で暴走中だ。

 そもそも問題の報告書は、内容を正しく読み、適切に説明するなら、何ら問題のない文書だった。2000万円なければ老後は暮らせないとは書いていないし、公的年金が破綻するとも書いていない。

 「高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は約5万円となっている」とあり、「赤字」という言葉が後に問題視されたが、収入よりも支出が多い場合を「赤字」と呼ぶのは普通の表現だ。文脈上も収入と支出の差という以上の意味はない。

 「2000万円」は単にこれを30年分掛け算しただけの試算であり、「平均」からの計算なのだから、これよりも多い人もいれば、少ない人もいて当然だ。報告書は老後に備えた資産形成を計画的かつ効率的に行えとアドバイスしているだけだ。

 しかし、適切な説明ができなかった麻生太郎金融担当相は、「表現が不適切だ」とこの報告書を切り捨てた。加えて、報告書を正式なものとしては受け取らないと言う。政府の政策と異なるからという不受理理由もおかしいし、そもそも有識者に諮問しておいて報告書を受け取らないというのは無礼で非常識だ。「老後2000万円」問題の「炎上」は、麻生氏の能力と常識に起因すると筆者は確信する。

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