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【経済快説】年金問題は参院選のテーマになり得ない!? 現状を“批判する側”には実現可能な対案が必要だが… (2/2ページ)

 加えて、今年は公的年金の5年に1度の財政検証の年だが、将来の所得代替率は前回検証時から見て条件が悪化していると思われ、ここに注目が集まることは与党側にとって不利だろう。前回は6月3日に発表された財政検証がいまだ発表されず、参院選後の発表との憶測がある。そうだとすると、計算途中のデータには厳重な情報管理が行われているのだろう。野党やマスコミはぜひとも入手したい情報のはずだ。

 ところで、仮に所得代替率が問題なのだとしても、これを引き上げるためには、年金保険料を上げる、年金の支給開始年齢を引き上げるといった、かなり文句の出そうな制度変更を行わないとつじつまが合わない。公的年金への政府支出を増やすという選択肢もあるが、長期的にはその分の税収が必要になるので、増税となる。

 年金制度をどうするのがいいのかについては、国民間の利害が絡むし、変更の実現性に関しては複雑な計算が必要なので、年金は国政選挙の争点とするには難しいテーマだ。

 年金を選挙の争点にすることが絶対に不可能だというわけではないのだが、現状を批判する側にも実現可能な選択肢となり得る対案が必要だ。残念ながら、今の野党にその準備はなさそうだ。今年の参院選で年金を争点にする準備は整っていない。(経済評論家・山崎元)

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