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【田村秀男 お金は知っている】野党の消費税反対に“付け焼き刃”感… 「増税凍結」足並みも…脱デフレと経済成長への道筋は? (2/2ページ)

 しかし、2018年は01年と比べてそれぞれ1万5600円、1万7000円も低い。家庭を持ち、育ち盛りの子供を持つ親の所得は減っているのに、政府は14年、消費税率を5%から一挙に8%に引き上げた。

 今度はさらに消費税率が10%に上がる。勤労世代への打撃はさらに深くなる。2%増税分の税収の一部を子育て支援や教育無償化の財源に充当すると政府・与党は説明するが、大きく召し上げた分のほんの一部をくれてやるという偽善者の代官の発想であり、少子化解消、日本再生どころではない。

 野党は消費税増税の凍結と最低賃金引き上げで足並みをそろえるが、「脱デフレ」抜きだ。経済学の教科書でいうデフレとは物価が下がり続ける状態のことだ。筆者は独自に分析した結果、日本の慢性デフレは、物価の下落幅以上に所得が下がる、あるいは物価が上がっても所得は物価上昇に追いつかない状態だと10年以上前から産経新聞紙上などで論述してきた。国税庁の民間給与実態調査17年版によると、全民間事業所従業員の平均給与は1997年に比べて8%低い。金額にして年467万円から432万円へと45万円も減った。

 消費税率を据え置いたところでデフレは解消しない。内需が萎縮する中で賃上げを企業に強制すれば、企業は国内での雇用を減らす。結果はデフレ圧力増である。脱デフレは内需、つまり国内経済のパイを大きくすることでしか実現しない。

 国内で使われないまま1000兆円を超すまで膨張した余剰資金を政府が国債発行で吸い上げ、教育、ハイテク研究、宇宙・防衛など成長分野に戦略的に投資する。野党に経済成長を実現するまともな対案が出ないのは日本の不幸ではないか。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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