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【経済快説】60代を“現役”で乗り切るために… 「70歳定年時代」の到来に備えよう (1/2ページ)

 20カ国・地域(G20)首脳会合で小休止したものの、参院選を前に「老後2000万円問題」に関連する老後のお金問題への話題と関心はやみそうにない。

 この問題では、世間の平均値ではなくあくまでも「自分の数字」で将来の計画を考えることが重要だが、結論を先取りすると、多くの人にとって「より長く働く」ことが現実的な対応策になりやすい。普通の個人は「70歳定年」くらいで老後の生活設計を考えるべきだ。65歳でリタイアするケースに比べて、稼ぐ期間が5年延びるのと同時に老後が5年縮むのだから効果が大きい。

 最近届く「ねんきん定期便」を見ると、公的年金の受給開始を65歳から70歳に繰り下げた場合に年金の受給額が42%増えることが強調されている。税金や介護保険などの社会保険料を考慮すると、手取りが42%丸々増えるわけではない場合が多いので、個別のケースごとに注意が必要なのだが、国は既に、高齢者により長く働いてもらうこととともに、将来の年金受給開始年齢の引き上げを視野に入れているように見える。

 長寿のための保険としての年金に十分な機能を持たせるためには、支給開始年齢の繰り下げは妥当だ。もちろん、それだけでなく確定拠出年金の拠出可能年齢を現在の60歳から一気に70歳まで引き上げるなど、「70歳定年時代」に向けて必要な制度的整備は少なくない。

 一方、企業に70歳まで社員を雇用する義務を負わせることは不適切だ。高齢者の能力、健康、意欲などには大きな個人差がある。高齢社員を一律に企業内に留めておくことの負担はあまりに大きく、企業だけでなく経済の活力を損なう。

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