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【経済快説】リクナビ「内定辞退予想データ販売」の教訓 全国民は「あらゆる行動のデータ化」自覚を (1/2ページ)

 リクルートキャリアが、就職活動支援サイト「リクナビ」を通じて得た学生の内定辞退の予想データを、学生の十分な同意を得ずに、企業向けに販売していたことが判明し、問題になっている。

 販売されたデータの内容や価格、購入企業など、事件の詳細は明らかになっていないが、既にトヨタ自動車、ホンダといった大手企業がデータを購入していたことが判明している。個々の学生の同サイト内でのデータ提供に加えて、閲覧履歴などのサイト内行動を元にして、内定の辞退確率を予想し5段階評価で購入企業に提供していたようだ。

 このデータが企業の採用行動に影響を与えたことは間違いない。企業の採用担当者が最も恐れるのは、予定した人数を採用できない「定員割れ」だし、内定者の辞退率は採用担当者自身の人事評価に影響する可能性もある。何よりも、対価を払って予想データを買った企業があること自体が、このデータが企業の採用行動に影響を与えるものであったことの表れだ。

 データの提供によって不採用となった学生がいるはずで、今後、訴訟を起こされる可能性もある。しかし、「データがなければ採用されるはずだった」ということが本人には分かりにくいし、第三者には立証しにくい。後味の悪い就職活動になった学生もいるだろう。

 表面的にはリクナビのサイト内で、データの利用について分かりやすい同意を個々に得なかったことが問題なのだが、学生ばかりでなく全国民は、サイト閲覧や書き込みなどのあらゆる行動がデータ化され、分析され、利用される可能性があることに自覚的であるべきだ。

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