記事詳細

【住まいの処方銭】災害に学ぶ(7) 浸水被害で「マンション停電」、水もエレベーターも使えず… 重要なのは各自の備え

 浸水といえば、マンションでの被害は想像しづらいかもしれない。

 「マンションの地下には、駐車場やエレベーターの機械室、電気設備、受水槽などさまざまな設備がある。これらが濡れると水や電気が使えなくなる可能性が高い」

 こう話すのは、日本マンション管理士会連合会(東京都千代田区)の瀬下義浩会長だ。

 設備が水につかればいきなり停電だ。給水ポンプは使用できなくなり、エレベーターが止まってしまう。地下駐車場の車は水の深さによるが、使用不能になることも。

 被害が広範囲に及べば、メンテナンス会社が復旧に来るまで何日かかるかは全く読めない。

 そんななか、29階建て(480戸)のタワーマンションでは先日、地下設備を確認し、被害想定と対策を行った。地下にある受水槽や給水ポンプが水没しても、中間階に中間水槽、最上階に高架水槽がある。しばらくの間、これらから取水して当座をしのぐことに決めた。地下の備蓄倉庫の備品は各階のパイプシャフトの空きスペースに移動させた。エレベーターが使用不能になったときの上階の人向けの対策だ。

 ただ、瀬下会長は水や食料などは各自での備えを薦める。復旧までの時間を考えるなら、必要量はまず1週間分。「管理組合で全員分を備えるのは無理。高齢者や乳児がいると優先順位がつけられなくなる」

 加えて、「バルコニーにガイドロープを通し、ウインチなどを使いマンションの上下階を行き来させ、支援物資を運んだり、事前に許可をとりマンションの上下階だけでドローンを利用したりしてはどうか」とも。

 ゴンドラ設備を常設した超高層マンションでは、蓄電池を備えて停電時に支援物資を上げ下げすることもできるといい、階下に降りづらい高層階の居住者に対するアイデアを披露する。(不動産・住生活ライター 高田七穂)

関連ニュース