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【シニアライフよろず相談室】認知症対策(4) 「家族信託」を検討すべき3つのケース 最も大切なのは「元気なうちに」対策すること (1/2ページ)

 今回は、認知症対策の切り札「家族信託」を検討すべき3つのケースを取り上げます。当てはまるものがあれば、家族信託の利用を考えてみましょう。

 【ケース(1)】高齢の親が不動産を保有している

 不動産の所有者が認知症などにより判断能力を喪失した場合、不動産の管理や処分ができなくなり、不動産が「凍結」するリスクがあります。例えば、空き家となった実家を売却することや、自宅を売却して施設の費用に充てることなどが難しくなります。

 とりわけ、アパートなどの「収益物件」を所有している場合には、売却以外にもリフォーム、修繕、賃貸借契約などができなくなるリスクがありますので、注意が必要です。家族信託により、不動産の管理権限を子供などの家族に移しておくことで認知症による凍結リスクを回避できます。

 【ケース(2)】家族に障がい者、ひきこもりの人がいる

 障がい者の方、ひきこもりの方が、不動産や多額の金銭などの財産の管理をご自身で行うのは難しい場合があります。そこで、家族信託が有用となります。家族信託により、財産の管理を受託者にお願いしつつ、財産から生じるさまざまな利益を「受益者」としてご自身で受け取ることができます。

 例えば、障がいを持つ子の親が、家族信託を利用することにより、自らの認知症対策だけでなく、親亡き後のその子の財産管理を他の子に任せることができます。

 【ケース(3)】親の判断能力の衰えが少し気になってきた

 法律上、判断能力がない状態で行われた行為は無効となってしまいますので、認知症を発症すると、自分ではお金や不動産の管理・処分ができなくなる可能性があります。このような財産の凍結リスクを回避するために、家族信託がとても有効なわけですが、家族信託自体を開始するにも、当然ながら判断能力が必要です。

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