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【田村秀男 お金は知っている】「金欠」の習政権になめられる日本 安倍政権は中国経済の窮状に気付いていないのか (1/2ページ)

 安倍晋三首相は来春に訪日する中国の習近平国家主席・共産党総書記を国賓として迎えるのだと、親中派が大多数を占める国内メディアは何の抵抗もなく報じている。

 その中で、産経新聞だけは「自民党内で習氏の国賓来日に疑問の声が強まっている」(11月5日付)と報じた。中国海警局の船舶は沖縄県尖閣諸島周辺海域での活動を活発化させているし、中国当局による北海道大の男性教授を含む邦人の拘束も相次いでいる。

 安倍政権は経済的利害を優先している。安倍首相は昨秋の訪中時に「日中新時代」をうたい、日中通貨スワップや、米国などが警戒を強めている中華経済圏構想「一帯一路」への参加協力条件を提示した。事実上、中国主導の東アジア地域包括的経済連携協定(RCEP)交渉はインドの離反のために揺れているが、日本にはインドのような対中警戒心は不在だ。

 そんな対中融和一辺倒の路線に習政権はほくそ笑む。表面上は「中日友好」攻勢をかけながら、あとは強権のし放題というわけだ。「なめられている」と感じないほうがおかしい。

 対中思考の弛緩は相も変わらぬ中国市場の機会拡大幻想からきている。拙論は現実の中国経済はマイナス成長と本欄などで明らかにしてきたが、政官財学とメディアの大多数は年率6%台の実質成長という北京の「大本営発表」を信じ切っている。何とも甘い。

 ならば、カネの流れから中国の窮状ぶりを解き明かそう。グラフは中国からの資本逃避と対外借金の急増ぶりを示す。いずれのデータとも国際通貨基金(IMF)の基準に沿った中国外為管理局による国際収支統計から抜き出しており、国内総生産(GDP)統計に比べ信憑性は高い。

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