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【大前研一 大前研一のニュース時評】史上最高値になる要素はどこにもない…「トランプ・マジック」での危険な株高 (1/2ページ)

 日経新聞(11月18日)に「世界上場企業減益続く」という記事があった。世界の約1万8000社の2019年7~9月期の純利益が、前年同期比で8%減ったというもの。中国景気の減速が鮮明になった18年10~12月期に減益に転じて以降、4四半期連続の減益になった。

 この数字をきちんと把握すると、世界の企業収益が低迷しているのに、米国の株式市場で「NYダウ平均株価、S&P500種株価指数、ナスダック総合指数の主要3指標が、そろって史上最高値更新」というニュースは、何か変だということが分かる。

 いま、米国の株価が史上最高値になる要素はどこにもない。これはいわゆる「トランプ・マジック」というもの。輪転機をフル稼働するドナルド・トランプ大統領が再選するまで続くだろう。カネを預けても、金利がほとんどつかない。皆、株に目を向ける中、トランプ大統領は米中通商協議の期待を高めるなどしてはやし立て、株価を押し上げている。

 1998年、当時のビル・クリントン大統領とホワイトハウス実習生、モニカ・ルインスキーさんの「不適切で親密な肉体関係」が発覚して、下院はクリントン大統領の弾劾訴追案を可決した。弾劾裁判まで行きそうになった。しかし、「株価が上昇しているから」ということもあって、アメリカの識者と言われる人の中にも「上半身と下半身の人格は別でもいい」とまで言って株高を重視した。結局、上院で否決され、2001年1月まで任期を満了できた。

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