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【住まいの処方銭】シニアの片づけ(1) ケガのリスクもある…物を無理に捨てなくていい

 シニア向けに「終活」という言葉が定着し、物を捨てることが推奨されるようになった。だが、「どれも愛着があって整理は簡単ではない」という人も少なくないだろう。ただ、シニアにとっては、散らかった室内は危険。床に置いた物につまずいたり、地震の揺れで上から物が落ちたりしてケガをしたりするというリスクがあるからだ。

 『60歳からの笑顔で暮らせる片づけ術』の著者であり、「シニアの片づけコンサルタント」として活躍する橋本麻紀さんがシニアにふさわしい片づけの知恵を伝授する。橋本さんは、シニア世代が住まいを整えれば、一日中探し物をする、薬を飲み忘れてしまうといったストレスが軽減できることなどを伝えている。

 「片づけというと、『捨てる』意識が先行しますが、私は捨てることは薦めていません。たとえば、コレクターにとっては、集めたものを眺めることで気分が上がるでしょう。自分の人生を豊かにするようなものを無理に捨てる必要はないのです」

 橋本さんは、片づけ前に、「なぜこれを買ったのか」「どこが好きなのか」「なぜ使っていないのか」を自分に問いかけることを提案する。これで「何が本当に好きなのか」「いらないものは何か」がわかる。「自分なりの基準ができる」という。

 例えば 子供から「高かったから捨てるのはもったいない」と言われると、「残したほうがいいのか」と思うかもしれない。だが、それは自分の基準ではない。橋本さんは「残りの人生に、必要と思うものを選び取る気持ちで決めていきましょう」とアドバイスする。

 ところで、片づけには適した季節があるそう。体が動きやすくなる春にスタートしたほうがよいとのこと。室内が寒い今の時期は、片づけそのものが体に負担をかける。むしろ今は、じっくりモノと自分を見直す期間といえる。(不動産・住生活ライター 高田七穂)

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