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【バフェットの次を行く投資術】発展途上国政府との交渉が難題…資源開発型企業とエネルギーの現実

 原油・ガス開発生産の国内最大手企業、国際石油開発帝石(1605)が、オーストラリアでオペレーター(創業主体)を務めるイクシスLNG(液化天然ガス)プロジェクトは2018年に稼働を始め、収益に貢献しつつある。

 また、インドネシアのアバディLNGプロジェクトは、同国政府に過大な要求を押し付けられ、交渉に時間がかかったが、無理難題をのみ込む形で決着がついた。

 資源開発型の企業は、発展途上国政府との交渉が難題となることが多く、共産主義国家では「強制国有化」という非道なこともしばしば行われる。正確には「化石燃料が発展途上国に偏在」しているのではなく、「化石燃料を産出するから発展途上国のままである」というべきなのだ。

 日本、欧州のほとんどの国々、台湾、シンガポールなどは資源小国である。つまり、濡れ手で粟のビジネスは、人間を腐らせ国家を崩壊へと導くということだ。

 資源国でありながら先進国であるオーストラリアでのビジネスが比較的順調であるにもかかわらず、インドネシアのビジネスがなかなかうまくいかないのには前記のような理由があるが、それでももうすぐ操業というところまでこぎつけた。

 現在化石燃料が悪者になっているが、クリーンと喧伝(けんでん)される電気のおおむね7割は石油や石炭などの化石燃料で発電されるし、いわゆる再生可能エネルギーは、あまりにも供給が不安定すぎて実用には向かない。比率が増えすぎると、需要と供給の微妙なバランスを取りながら「航空管制」なみの制度で運営されている既存の電力システムそのものが崩壊してしまう。24時間一定量の電気を供給できない太陽光発電などは「お邪魔虫」なのだ。

 さらに言えば、夢のクリーンエネルギーといわれる水素も、結局今のところはメタン(化石燃料)からつくるのが主流で、「水素は海の水に無尽蔵に含まれている」という話は、太陽の近くまで太陽光パネルを打ち上げて発電すれば効率が良いというようなSF夢物語にしかすぎない。(人間経済科学研究所、国際投資アナリスト・大原浩)=敬称略

 【2020年2月13日発行紙面から】

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