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【こんな時代のヒット力】大人も子供も楽しめるよう綿密に世界観を積み重ねた“結晶” ポプラ社「おしりたんてい」 (1/2ページ)

 読者は2012年刊、「おしりたんてい」(作・トロル ポプラ社=東京都千代田区)を知っているだろうか。出版不況の時代に、絵本と児童書を合わせたシリーズ累計700万部(20年1月末現在)を売り上げ、アニメ放送も加わって勢いは増すばかりだ。

 おしりたんていは見事な推理と謎の必殺技をぶちかまし、助手のブラウンとともに事件を解決する。シリーズのキャッチフレーズは「どんなじけんもププッとかいけついたします」。おしりそっくりという見た目にも関わらず、身のこなしや話し方は上品でファッションも英国紳士風。必殺技の前には、「しつれいこかせていただきます」と断る丁寧さだ。

 インパクトのある見た目と紳士的な振る舞い、決めゼリフとともに繰り出す必殺技で子供たちに大人気である。

 しかし、この結果は偶然ではない。同社児童書事業局副局長「おしりたんていプロジェクト室」室長の高林淳一氏が「ロングセラーにしたい」と話すように、綿密に世界観を積み重ねた“結晶”である。

 元々、アプリとして開発された。それを「本にしたい」と編集部に提案があり、1回見たら忘れられないインパクトがあることから絵本が企画された。「どうせなら、本格的なミステリーにしよう」と思ったという。

 子供たちが分かる悪いこと、動機などの設定から本作りは始まった。キャラクターに頼らず、子供向けの本だが大人にも読み応えがあるように、「謎解きの面白さ、真実にたどり着いた時の面白さを薄めず盛り込んだ」という。

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