記事詳細

「生ビール190円」の原価率は85%? お客が3杯飲んでもしっかり利益が出る仕組みとは (3/4ページ)

 ◆生ビール190円でももうかる「原価ミックス」とは?

 「原価ミックス」を分かりやすく説明するために、東京の新橋で働く「田中課長」の例をもとに戦略シミュレーションしていきます。

 田中課長は仕事帰りに新橋駅に向かって歩いていました。そこで目に入ったのは「生ビール190円!」という居酒屋の看板。今日は真っすぐ家に帰るつもりでしたが、190円という安さに釣られ、ついついお店に入ることに。

 最初の1杯目はもちろん190円の生ビール。そして、490円のおつまみを3皿注文しました。最近お腹まわりが気になってきたので、2杯目は290円のハイボールにしました。お酒を2杯飲んで、小腹も満たせた所で田中課長はお会計をしました。田中課長のレシートの内訳は次の通りです。

 <田中課長の会計>

 ■お通し300円×1個=300円

 ■生ビール190円×1杯=190円

 ■ハイボール290円×1杯=290円

 ■おつまみ490円×3個=1470円

 A:会計合計2250円

 2000円代前半でほろ酔いになれました。「これなら今度、部下の山田主任を連れてきてごちそうしても良いな!」と田中課長も大満足です。

 では、ここでお店側の原価を見ていきます。

 <お店側の原価>

 ■お通し300円×1皿=300円(原価60円、原価率20%)

 ■生ビール190円×1杯=190円(原価163円、原価率85.8%)

 ■ハイボール290円×1杯=290円(原価60円、原価率20.7%)

 ■おつまみ490円×3皿=1470円(原価441円、原価率30%)

 A:会計合計2250円、原価合計724円、原価率32.2%

 どうでしょうか? たとえ生ビールを原価率85%の190円で販売しても、会計合計の原価率はしっかりと32.3%にまで抑えられています。このようにお客様にご満足を頂きながらも、お店の利益をしっかりと残していく戦略のことを私は「原価ミックス戦略」と呼んでいます。

 ◆グルメサイトのネット予約と比較すると?

 もし田中課長が、グルメサイトのネット予約を通して同じ店を訪れた場合には、280円の広告費が上乗せになります。広告費は通常、「広告宣伝費等」の勘定科目で計上されますが、ここではあえて分かりやすくこの280円を原価として考えます。すると、先ほどの田中課長が利用したお店の原価は次のようになってしまいます。

 <グルメサイト広告を行った場合のお店側の原価>

 ■広告宣伝費(原価280円)

 ■お通し300円×1皿=300円(原価60円、原価率20%)

 ■生ビール190円×1杯=190円(原価163円、原価率85.8%)

 ■ハイボール290円×1杯=290円(原価60円、原価率20.7%)

 ■おつまみ490円×3皿=1,470円(原価441円、原価率30%

 A:会計合計2250円、原価合計1004円、原価率44.6%

 このように大幅な原価率アップ=利益減少となります。

ITmedia ビジネスオンライン

関連ニュース