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【こんな時代のヒット力】店頭オーブン販売も当初は匂いが嫌われ… JAなめがたしおさい「焼き芋戦略」 (1/2ページ)

 焼き芋はスーパーで買う時代。店頭に置かれた電気焼き芋オーブンの匂いが鼻をくすぐり、一口食べると、アツアツ、ほくほく、ねっとり。かつての冬の風物詩は、今や1年を通し、定番になっている。

 そのきっかけは、1998(平成10)年、第2次平成不況真っただ中、茨城県の一産地、行方(なめがた)が始めた取り組みである。

 同県南東部に位置する行方市は、人口3万5000人。霞ケ浦と北浦という2つの湖に挟まれた半島状の地形、中央は水はけの良い火山灰土壌(関東ローム層)の傾斜地で、甘藷(かんしょ=さつま芋)栽培に適している。が、産地としては後発で、青果市場では有名産地に後れを取っていた。そこへ景気低迷による価格の下落と消費の落ち込み。甘藷農家は苦境に陥っていた。

 着目したのが、「焼き芋」だった。「生の食材で競うより、新たなマーケットを創出しよう」。JAなめがたしおさい(以後、JA)の営農経済部長、金田富夫氏はそう当時を振り返る。

 マックスバリュ東海との連携で2003年、店頭の電気焼き芋オーブンによる焼き芋販売が50店舗で始まった。「スーパー店舗内焼き芋販売」という、これまでにない全国に先駆けた取り組みだ。

 焼きいもの美味しさは、品種や貯蔵期間、大きさ、オーブン内部の焼き位置、温度、焼き上がり時間によって異なる。JAは試験を重ね、均一に美味しく焼く技術を開発、「焼きいもマニュアル」に蓄積した。

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