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【住まいの処方銭】コロナ禍のマンション管理(3) コロナ禍でますます強まる人手不足感 居住者で管理員業務を

 最近、マンションの日常業務のひとつである管理員が不足している。背景には、シニアを雇用する職種が増えたことや、定年延長で60歳を超えても同じ企業で働けるようになったことなどがありそうだ。

 管理員はシニア向けの仕事ではあるものの、コロナ禍の関係もあるのか、ますます人手不足感が強まっている。

 マンション管理士・長期修繕コンサルタントのメルすみごこち事務所(東京都渋谷区)の深山州さんは「なかでも人材確保が難しいのは、週に数日、1日あたり2~3時間の清掃を中心とした業務を担う短時間の管理員です」と話す。労働時間が少ない分、収入もそれほど多くならないのが応募のネックとなる。

 深山さんが提案するのは「居住者のなかで、興味のある人を募って管理員業務をやってもらうこと」だ。住んでいると、マンションに愛着が出て仕事もより丁寧に業務をこなす。「体を動かせば、健康維持にもつながります。管理組合側からみても、支払う時給は管理会社に払う分よりも少なくて済みます」

 東京都内にある築30年、30戸のマンション。現在の理事長が、管理員の応募が少ない曜日に清掃や管理業務を行う。深山さんが、各部位の清掃のポイントや用いる薬剤などをアドバイスした。別の築40年、34世帯のマンションでは、居住者が時給1200円で管理組合から業務委託を受けて、連日、清掃員として働いている。

 この場合、管理組合との個人契約で、契約書は必須。勤務中にけがをしたり器物などを壊したりする可能性があるため、保険の手当てもしたい。

 「居住者でもできることに取り組んでいくと、マンション内のことにも興味を持ちやすくなります。人手不足をポジティブに考えてみませんか」(深山さん)(不動産・住生活ライター 高田七穂)

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