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【セカンドキャリアの達人に聞く】老舗旅館六代目が乗り越えるコロナ禍 峩々温泉代表取締役・竹内宏之さん (1/2ページ)

 蔵王国定公園内の標高850メートルに位置する峩々(がが)温泉(宮城県川崎町)は明治8(1875)年創業。145年の歴史を持つ秘湯の一軒宿だ。

 六代目として生まれた竹内宏之さん(45)は、幼い頃から跡取りとして育てられた。代々継いできた“湯を守る”という仕事や、その心構えについて、四代目である祖父から多くを学んだ。

 「山が好きな人は多いけれど、山に住んでいる人はあまりいない。山に住んでいる人のすごさを感じて、祖父の一つ一つの言葉が格好良かった。潔くて、どっしりと構えていて、山のような人だなと思っていました。『温泉は、ここで湧いているけれど、自分のものではなく皆のものだから、余計に大切にしなくてはいけないよ』とか、幼稚園の頃から、いろいろと教えられました」

 家業を継がなければならない窮屈さよりも、憧れの仕事を受け継がせてもらえるという気持ちが強かったという。

 「なぜ継がなくてはいけないんだとか、そういう感覚は全くなかった」というが、大学卒業後は、経営コンサルティング会社の船井総合研究所に入社、コンサルタントとして勤務した。

 「両親から『10年間、外で飯を食べてこい』と言われました。何をしてきても良いけれど、旅館や旅行代理店など旅行に携わる業界ではなく、全く違う仕事をしてこいというのが条件でした」

 船井総研を志望したのは、創業者の舩井幸雄氏や取締役(当時)だった佐藤芳直氏の著書を読み、共感したこともきっかけだった。

 「経営者として世の中に恩返ししなければ、永続的な経営はできないということや、何かが足りないと減点法で考えるのではなく加点法の経営方針を提唱していて、長所を伸ばして成長していくという船井流の経営に興味を持ちました」

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