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【こんな時代のヒット力】45年間一度も変わらぬ味 桃屋「キムチの素」 (1/2ページ)

 1975(昭和50)年に発売された桃屋(東京都中央区)の「キムチの素」。小売業店舗導入率ほぼ100%(KSP-POSデータ)と、日本中、どの店にもある定番である。2020年4~8月売り上げ前年比114%と好調だ。

 その味は45年間、一度も変えていない。同社営業企画室、栗山歩美さんによると、リニューアルは、パッケージを1回しただけ。にんにく・みかん・りんご・ショウガをたっぷりと使用した濃厚仕上げ。当社ならではの技術を生かした非加熱仕上げと手間暇を惜しまない製造工程もそのままだ。

 開発のきっかけは、1974年、小出孝之社長(当時、現名誉会長)がアメリカのスーパーで、キムチが多く売られているのを見たことだった。朝鮮戦争に従軍した兵士がキムチの味を覚え、広めたものだ。「アメリカ人も好むなら日本人も好むはず」と開発を決めた。日本人の多くが、キムチを知らない時代である。

 当初はキムチそのものを作ろうと試みた。しかし、試作を繰り返す中、白菜でも大根でも常温での流通が難しいと分かり、キムチのベースの開発に変更した。

 「白菜漬けにまぶせるだけで美味しいキムチがすぐできる!」というCMが話題となり、発売と同時に大ヒット。当時、日本人に唐辛子の辛さは浸透していなかったため、キムチの素は革新的だった。

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