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【大前研一 大前研一のニュース時評】日本はコロナによる経済的打撃も大きいが… 「投資」「消費」萎縮で迫る大失業時代 (2/2ページ)

 一番いいのは、例えば「10%割引にします」と言って、その場で1000円なら100円を返すこと。商売する側は、きちんとしたキャッシュレジスターの正式な記録を出して、その分を政府から還付してもらえばいい。

 消費が起こっている瞬間に直接消費者に戻す。こういう直接的なことをしないといけない。いまのようなやり方では、まさに隔靴掻痒(かっかそうよう)、かゆいところに手が届かず、じれったい。

 新型コロナ不況に関連してもう1つ。総務省発表の8月の全国の完全失業率は3・0%と、前月と比べて0・1ポイント悪化した。3%台は3年3カ月ぶりで、完全失業者の数も206万人と7カ月連続で増加。1年前より49万人増加している。

 この数字で驚いてはいけない。就業者のうちパートや派遣社員、アルバイトなどの非正規労働者は2070万人で前年同月から120万人減った。これ、結構大きい。まだ我慢して雇用しているところもそろそろ維持できなくなってきている。そのときにはこんな数字では収まらない。

 私は失業率が2ケタに行くと思っている。テレワークなどに触発された企業はAIや業務効率化ツールを使ってホワイトカラーの生産性を上げることから、非正規のレイオフ(一時解雇)を合わせると、下手をすると一時的には30%ぐらいになる可能性もある。そこから新しい職種に雇用が戻ってくるようになるのは、10年単位の非常にゆっくりしたプロセスになるのではないか。

 日本はコロナによる経済的打撃も大きいが、それに触発された大失業時代の入り口にさしかかっている、という見方をしておく必要がある。

 ■ビジネス・ブレークスルー(BBTch)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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