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【こんな時代のヒット力】健康価値訴求するシールの効果 伊藤園「お~いお茶 濃い茶」 (1/2ページ)

 2019年8月、伊藤園(東京都渋谷区)は、「お~いお茶 濃い茶」(以下、濃い茶)をリニューアルした。濃い茶は04年発売、累計40億本を超える、同社の看板商品。リニューアルには「社内でも反対意見が多かった」と、担当したマーケティング本部緑茶ブランドグループブランドマネジャー、安田哲也さんは言う。

 濃い茶は03年、味が濃く香りがある、冬限定の季節茶として誕生した。味が濃いことは渋みもあり、「こんな渋いお茶、売れない」と、反対も多かったという。しかし、渋みを含んだ濃い味でありながらえぐみが残らず、後味の切れがいいことで多くの支持を得た。「売れ行きが良かったので翌年、『濃い味』(後、濃い茶)というネーミングで通年発売にしました」(安田さん)。初年度1000万ケース(24本/ケース)を売り上げ。1000万ケースを超えれば大ヒットといわれる市場で、初年度からホームランだった。

 当時、腸管出血性大腸菌O157による食中毒が猛威を振るっていた。それに対し、お茶に含まれる渋み成分カテキンの殺菌、抗菌作用が注目されていた。濃い味は、500ミリリットル当たりカテキン400ミリグラムと通常の緑茶の2倍も含まれるため、その渋みは健康面からも受け入れられた。

 2014年、「濃い茶」にネーミングを変更。一方で、「品質改良は、ほぼ毎年行ってきた」(安田さん)。茶葉は焙じれば焙じるほど香ばしくなり、味も際立つが、焙じすぎると瑞々しさが失われる。また、渋味のもとであるカテキンが壊れ、苦味や渋みが失われる。味・香り・濃さ(渋み)のバランスを求め、焙じ方や抽出方法など工夫を重ねている。

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