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【住まいの処方銭】コロナ禍のマンション防災(3) 「在宅避難」の新常識を知ろう 遠方の親戚や友人と「お互い様」の関係づくりが大事

 コロナ禍でもし、大地震が起きたら…。在宅で長期に過ごすには、地震でケガをしないことだ。すでに今、医療崩壊目前といわれている。災害対策研究会の主任研究員で、マンション防災士の釜石徹さんは「地震で骨折などの大ケガをしたら外科手術どころか、受け入れる病院すら見つからないかもしれない」と話す。そのためにも家具の転倒やガラスの飛散などで絶対にケガをしないよう、対策を。「防災委員会も何度もこれらの情報を伝えたい」

 ところで、在宅避難で10日たっても電気や水道などが通じなかったら不安が強くなるだろう。釜石さんは「こんなときには防災委員会などのメンバーが交代で避難所に行くようにしたい」とアドバイスする。被災後は混乱していても、数日たつと避難所に行政から最新情報が入る可能性がある。テレビやネットでは得られないナマの情報だ。居住者に知らせたい。

 また、日用品などの支援物資も避難所に届くようになる。物資は避難所にいなくても受け取れとれるそうだ。居住人数や必要なものなど、全戸の情報を把握してから、複数で出かけよう。

 ただし、それでもまだ物資は不足するかもしれない。その先の対策として釜石さんは、各自の“疎開”を薦める。「普段から遠方の親戚や地元の友人と交流をもち、いざというときに頼れる関係を作っておきたい」。何かあったときにはこちらに避難に来てもらう「お互い様」の関係づくりが大事だ。

 釜石さんは11月7日、『マンション防災の新常識』(合同フォレスト、1500円税別)を出版した。「大人数の炊き出しは行ってはいけない」「安否確認後の集計作業はやってはいけない」「マンホールトイレをあてにしてはいけない」など、まさに「新常識」が盛りだくさんの1冊。QRコードで防災対策のビデオが見られる付録もある。(不動産・住生活ライター 高田七穂)

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