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【一生働く!】〈個人編〉いつまでも現役(1) 青森県伝統「こぎん刺し」独自の作風で進化 インスタ映えで注目 (1/2ページ)

 紺の布に白綿糸を一針一針手作業で刺し、幾何学柄をつくりあげる青森県津軽の刺し子技法「こぎん刺し」。古くから伝わる技法を尊重しながら、独自に進化させた作品を未来に託す人がいる。 

 ■旅先で一目惚れ、独学で学んだ

 こぎん刺し作家の高木裕子さん(85)が代表を務める教室「こぎん刺し木曜会」(東京・人形町)は、30代から90代の生徒が集う。ピーク時は200人以上在籍し、独立して自分の講座をもつ後継者もいる。

 高木さんの作風は、西洋美術から着想を得たという絵画のような色彩と奥行きが特徴だ=写真。従来のこぎん刺しは、紺の布に白綿糸で刺したモノトーンだから違いは歴然。「海外で展示会をする機会が増え、新境地にたどり着いた」と言い、これが目の肥えた東京の人たちの間で評判になった。作詞家の永六輔さんもお客の一人だったという。

 本場津軽の愛好家からも高く評価される高木さんは、「こぎん刺し界の異端児」といえる。出合いは、50年前。東京の企業で働き、旅行で十和田湖を訪れた際に、こぎん刺しに一目惚れした。人の紹介で民俗学者の田中忠三郎氏に会い、手渡された一枚のはぎれが教科書となった。白綿糸をほどいて、図面を起こす。独学で技術を向上させた。

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