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【榊淳司 マンション業界の秘密】タワマンという住形態は近未来の“絶滅危惧種” 長期存続建物の保守や法制度に課題 (2/2ページ)

 拙著でも指摘したが、タワマンという建造物は区分所有として長期間存続するには、建物保守や法制度においてかなり無理がある。この宿命的な課題は、あと10年もすれば社会的な大問題となりそうである。

 これまでは「つくれば必ず売れる」というのが、マンション業界における基本的なポジショニングであったが、将来的にはこの既成概念は崩壊する。

 また、健康を維持する上で、超高層階に住むことによる不都合が、さまざまな角度から指摘されるようになってきた。子育ての面でもいろいろと煩わしさがあるとも言われる。

 日本人はどうしてこれほどまでにタワマンに無防備なのかと、不思議でならない。日本人だけでなく、東アジア人一般も喜んで受けいれている。

 しかし、やがてそれも終わるのではないか。18年10月に日本を襲った台風19号は、川崎市の武蔵小杉エリアに林立するタワマン1棟に、内水氾濫の被害をもたらした。電気が使えなくなり、いかに悲惨な空間であるかを広く世間に知らしめた。

 日本人もそのような現実に気づき始めたのだ。変化は静かに始まっている。タワマンは近未来の住形態における絶滅危惧種になる恐れがある。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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