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【こんな時代のヒット力】セオリー度外視した“学びの辞書” ダイヤモンド社『独学大全』 (1/2ページ)

 788ページを収めた背表紙は厚さ5センチ。価格も税込3080円と高い。著者は正体不明の「読書猿」。異例尽くしの『独学大全』(ダイヤモンド社/東京都渋谷区)が8刷14万部(2021年1月)の大ヒット中だ。

 企画したのは、書籍編集局第二編集部、田中怜子さん。きっかけは学ぶことに対する個人的な想いだ。

 「ビジネス書の編集者として一人前ではないという想いがずっとあり、何をどう学んだら学ぶことの全体像を知ることができるか、モヤモヤし続けてきた」

 そのため本を読み漁り、セミナーに通い、経済学がわかればと、前職の出版社では、「大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる」(井堀 利宏著)を編集したりした。

 そんな時、読書猿著『アイデア大全』(フォレスト出版)と出会い、衝撃を受けた。「この著者なら、学び直しのやり方を体系的にまとめた本を書いてもらえるのではないかと思った」(田中さん)

 読書猿さんはブログを主催し、古典から最新の論文、個人のTwitterまで、ありとあらゆる知を独自の視点で紹介する。匿名の人物だが、著書に『問題解決大全』などがある。大全とは、トマス・アクィナスの『神学大全』のように当該分野の知識全体を注釈し、総合的に学ぶことができる書物という意味だ。

 本書では55の独学の技法を紹介。本の読み方、挫折の乗り越え方、時間の作り方など、学ぶための方法が網羅されている。例えば、技法10は既に習慣となっている行動の前に新しいことを行うことで、新たに習慣化する「習慣レバレッジ」。

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