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【こんな時代のヒット力】不意のバックハグにぞっとする…具体的な場面想定しエチケット訴求 「モワトレ 薬用デオドラントショット」(マンダム) (1/2ページ)

 2019年2月に発売された女性用「モワトレ 薬用デオドラントショット」シリーズ(マンダム/大阪市)(以下、モワトレ)は頭皮の汗臭を防ぐ、これまでにないデオドラント(薬剤)である。

 開発は10年、研究部門の「頭のニオイに対処できるデオドラント商品が提案できないか」から始まった。同社は体臭研究に関し多くの知見を持つ。例えば40代前後の男性の頭部から発生する特有の脂っぽいニオイ「ミドル脂臭」を解明。原因物質を汗が細菌によって分解・生成されるジアセチルと特定。20代の汗臭や50代の加齢臭とも異なる特徴を持った体臭であることを究明した。体臭は同社の重点テーマである。

 「生活者のニーズから商品企画が始まることが多いが、研究シーズが先行し、モワトレは技術ができたことで商品化がスタートしたケース」と、広報部、奥啓輔さんは説明する。

 しかし、頭部は脇に比べると皮脂が9倍多く、殺菌成分が皮脂に取り込まれ十分な効果を発揮しない。その条件下で効く殺菌成分を見つけ、効果を証明するまでに長い時間がかかった。2種類の殺菌成分(リゾチーム塩酸塩、イソプロピルメチルフェノール)を組み合わせ、脂の多い環境でもしっかり殺菌、さらにパラフェノールスルホン酸亜鉛が汗の発生を抑えるという新技術を開発するまで、およそ9年だ。

 しかし、社内の女性社員の反応は案外薄かった。香りが良い、殺菌力・洗浄力が高いシャンプー・コンディショナーを使うなど、頭のニオイ対策は既にそれなりに行われていたからである。だが、一部に「悩んでいる」と答えた社員がいた。そうした社員に「気になる場面」を聞くと、ターゲットが鮮明になった。中でも、「テーマパークでバックハグしているカップルを見て、ゾッとしたという女性社員の声がデザインや訴求を検討していく上でのポイントとなった」(奥さん)。

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