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【住まいの処方銭】制度を上手に(1) 「コロナで住宅ローン払えない」減免制度の利用を

 「新型コロナウイルスで仕事を失った。住宅ローンが払えない」

 こういった場合、最悪住まいを失い、自己破産することがあった。これが昨年12月、住まいを残して、早期に生活を立て直すために支援を受けられる制度ができた。

 この制度は「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」。もともと、自然災害で家や財産を失った被災者向けだったが、今回、新型コロナウイルスによって、失業や収入減でローンが払えなくなった例が加わった。

 対象はサラリーマンや個人事業主。「残った財産を家のローンにあててもまだ返せない」などが該当する。2020年2月1日以前の借り入れと、10月30日までにコロナ対応で利用した借り入れが対象。2月以降の分は、コロナウイルス感染拡大により、収入が減って生活費として借りた分などが該当するが、コロナウイルス感染拡大を理由としない車や住宅の購入は、対象外。全部や一部が免除される可能性がある。

 破産に比べるとメリットは多い。まず、弁護士などの専門家の支援を無料で受けられる。金融機関と弁護士とともに返済計画を話し合う。さらに、個別の事情によるが財産の一部を手元に残せる。加えて、ブラックリストに登録されないため、クレジットカードなどを作れる。生活の再スタートが切りやすくなる。

 12月の1カ月間で、新型コロナウイルス関連で手続きを専門家に依頼したのは94件。このうち93件が手続き中だ。

 事務局の一般社団法人「東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関」(東京都千代田区)の担当者は「『コロナウイルスによってローンの返済が厳しい。自然災害のガイドラインがあると聞いた』と、最も多額のローンを借りている金融機関にすぐ相談してほしい」とアドバイスしている。

 (不動産・住生活ライター 高田七穂)

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