昔から高給で知られる銀行業界。昨年秋以降の金融危機の影響で、2009年3月期の銀行業界全体の平均年収は前の期より11万円減の691万円となった。が、リストラにあえぐメーカーに比べその水準は高く、メガバンクの平均年収は40歳になると軽く1000万円を超える。
給与に関しては、公的資金の返済を終えていない中央三井トラスト・ホールディングス、りそなホールディングス、新生銀行の公的資金3兄弟に批判の目が向けられている。いずれも09年3月期の平均年収が前の期より19万〜50万円も上昇しているためだ。金融界では「給与を上げる前に公的資金を返したらどうだ」との声も出ている。
銀行員の平均年収はこのところ、増加基調にあった。特にメガバンクがこぞって公的資金を返済して以降、急上昇。三井住友フィナンシャルグループは05年3月期に1107万円だったが、09年3月期には1301万円と194万円も増加。三菱UFJフィナンシャル・グループは同期間で58万円、みずほフィナンシャルグループも69万円増えている。
この傾向はとくに賞与が顕著で、3メガバンクは08年3月期の賞与水準を前の期比で5%も増加させている。
その増加傾向を暗転させたのが昨年秋のリーマン・ショックで、「09年3月期決算でこぞって赤字に転落したのが痛かった」(メガバンク幹部)という。業績悪化は年間賞与の減額で調整したところが多い。
銀行員の賞与は賃金体系の多様化や成果主義の定着を踏まえ、毎年春に夏・冬に支給する賞与を合算した「総資金量」と呼ばれる財源にくくり、組合と一括交渉する方式を採用している。09年度はその総資金量が6年ぶりに引き下げられた。割合はみずほが7%減、三井住友と三菱UFJがそれぞれ5〜7%減となっている。
三菱UFJは一律引き下げではなく、「職位によってカット率が異なるようだ」(メガバンク幹部)という。
一時の不動産バブルがリーマン・ショックで吹き飛び、赤字決算に逆戻りした銀行業界。11月に発表された09年9月中間決算はどうにか黒字を確保したものの、景気の先行きは不透明で、中小企業の倒産増などで与信費用(貸倒引当金)の高止まりは避けられない。
銀行員の年収が急上昇することは当面、なさそうだ。
【2009年3月期の銀行の平均年収ランキング】
平均年収 平均年齢
(1)三井住友FG 1301万円 41.0歳
(2)三菱UFJFG 1135万円 40.2歳
(3)紀陽HD 1059万円 46.0歳
(4)みずほFG 1055万円 40.2歳
(5)中央三井トラストHD 1002万円 41.0歳
(6)りそなHD 958万円 42.2歳
(7)新生銀行 945万円 38.3歳
(8)ふくおかFG 932万円 43.7歳
(9)あおぞら銀行 912万円 39.7歳
(10)静岡銀行 814万円 40.0歳
※有価証券報告書より抜粋。FGはフィナンシャルグループ、HDはホールディングス
