“1億円プレーヤー”ズラリ 役員報酬データ全公開!

2010.06.25


“9億円プレーヤー”の日産のカルロス・ゴーン社長(AP)【拡大】

 多くのサラリーマンがつつましい生活を強いられるなか、1億円以上の報酬をもらっている役員がこんなにいるとは驚きだ。これまでに判明しただけでもざっと60人以上が「1億円プレーヤー」となっている。最高額は日産自動車のカルロス・ゴーン社長(56)の8億9000万円。あまりにも高額すぎてピンとこないが、これって高いのか、安いのか−。

 ゴーン氏は23日の株主総会で、2009年度にもらった報酬が総額8億9000万円であることを公表した。そしてこの額について、「同じような規模のグローバル企業のCEO(最高経営責任者)の平均は11億8000万円。ほかの基準でみても(日産の報酬は)低い水準にある」と淡々と説明した。

 総会に出席した60代の男性株主は「(2010年3月期の)配当を見送っておいて、あの報酬はもらいすぎ」。

 50代の女性株主は「驚く額だが、世界基準といわれれば、まあ、そうなのかなとも思う。だけど個人の感情としては割り切れません」。おそらくこれが一般的な受け止め方だろう。

 ゴーン氏に次いで報酬が多いソニーのハワード・ストリンガー会長兼社長(68)。ストックオプションを含めた報酬総額は8億1650万円だった。あるソニー株主からは「外国人の社長だし、しようがない」との声も出ていた。

 ただ、サラリーマンの感覚では気が遠くなるような高額報酬も、“上から目線”でみれば、「逆に社長になっても1億いかないのでは、社員の士気にもかかわる」(大手企業経営者)ということになるらしい。

 一方、1億円プレーヤーのなかには「明らかにもらいすぎ」ときつ〜い批判を受けている向きもある。

 2年連続で巨額赤字を計上し、首脳が引責辞任した新生銀行では、株主総会が行われた23日付で退任した外国人役員4人の報酬が1億円以上だった。公的資金を注入してもらったものの経営再建はおぼつかなく、あおぞら銀行との合併交渉も破談になってしまった。

 男性株主は「会社は赤字なのに、のうのうと高給をとるのはおかしい。外国人にもてあそばれている」と怒り心頭だ。

 また、株価が低迷するなか、最大8000億円の公募増資を計画しているみずほフィナンシャルグループも、株主の風当たりが強い。

 09年度に持ち株会社や傘下銀行の会長、社長、頭取を務めていた6人がそろって1億円プレーヤーに。60代の女性株主は「何度も増資して株価が下がっているのだから、責任をとって役員の報酬をもっと減らすべき」と不満げだった。

 最後に証券アナリストがこう指摘する。

 「株主から業績や株価に批判的な目が向けられているのに、複数の役員がそろって1億円プレーヤーでは、株主の理解は得られない。そのような会社は早晩、淘汰されていくのでは」

 みずほや新生銀などがそうならないことを祈るばかりだ。

■2010年3月期の役員報酬が1億円以上だった主な企業役員

日産自動車/カルロス・ゴーン社長(56)=8億9000万円、志賀俊之COO(56)=1億3400万円、コリン・ドッジ副社長(54)=1億7600万円、カルロス・タバレス副社長(51)=1億9800万円、西川広人副社長(56)=1億500万円、山下光彦副社長(57)=1億200万円

ホンダ/伊東孝紳社長(56)=1億1500万円

ソニー/ハワード・ストリンガー会長兼社長(68)=8億1650万円、中鉢良治副会長(62)=2億1504万円、大根田伸行副社長(65)=1億6439万円 ※ほかにも1億円以上の役員がいるが、28日に有価証券報告書で開示

みずほFG/前田晃伸前会長(65)=1億1000万円、塚本隆史社長(59)=1億1400万円、斎藤宏みずほコーポレート銀行前会長(66)=1億2300万円、佐藤康博みずほコーポレート銀行頭取(58)=1億2200万円、杉山清次みずほ銀行前会長(63)=1億1000万円、西堀利みずほ銀行頭取(57)=1億1400万円

新生銀行/ラフール・グプタ前取締役(50)=1億1600万円、ダナンジャヤ・デュイベディ前専務執行役(63)=1億1300万円、サンホー・ソン前専務執行役(48)=1億1000万円、マイケル・クック前専務執行役(45)=1億4900万円

スルガ銀行/岡野光喜社長(65)=1億4100万円、岡野喜之助副社長(62)=1億1000万円

東芝/西田厚聡会長(66)=1億700万円

資生堂/前田新造社長(63)=1億2100万円、カーステン・フィッシャー専務(47)=1億4100万円

東祥/沓名俊裕社長(59)=1億3581万円

小松製作所/坂根正弘会長(69)=1億2000万円、野路国夫社長(63)=1億2900万円

HOYA/鈴木洋CEO(51)=1億5300万円、浜田宏COO(51)=1億1500万円、江間賢二CFO(62)=1億100万円

三菱重工/佃和夫会長(66)=1億1900万円、大宮英明社長(63)=1億1900万円

新日鉄/三村明夫会長(69)=1億7060万円、宗岡正二社長(64)=1億7060万円

住友金属工業/下妻宏会長(73)=1億3400万円、友野宏社長(64)=1億2200万円

神戸製鋼所/水越浩士前会長(71)=2億7300万円(退職慰労金含む)

エーザイ/内藤晴夫社長(62)=1億3600万円、ロネル・コーツ執行役(45)=1億4000万円

オムロン/立石義雄会長(70)=1億400万円、作田久男社長(65)=1億700万円

三菱商事/佐々木幹夫前会長(72)=2億3000万円、小島順彦前社長(68)=2億4900万円、上野征夫前副社長(65)=1億6000万円、井上彪前副社長(64)=1億6000万円、吉村尚憲前副社長(64)=1億6000万円

住友商事/岡素之会長(66)=1億8300万円、加藤進社長(63)=1億8600万円、大森一夫副社長(61)=1億2800万円

三井物産/槍田松瑩会長(67)=1億3200万円、飯島彰己社長(59)=1億3500万円、大橋信夫前会長(71)=1億9000万円(退職慰労金含む)

バンダイナムコHD/上野和典取締役(56、バンダイ社長)=1億3700万円

アステラス製薬/竹中登一会長(68)=1億5200万円、野木森雅郁社長(62)=1億8000万円

ステラケミファ/深田純子会長兼社長(64)=1億2100万円

日本たばこ産業/新貝康司取締役(54)=1億4200万円

ヤフー/井上雅博社長(53)=1億5900万円

スクウェア・エニックス・HD/和田洋一社長(51)=2億400万円

サンリオ/辻信太郎社長(82)=1億500万円

セガサミーHD/里見治会長兼社長(68)=4億3500万円、中山圭史副社長(67)=1億5500万円、小口久雄CCO(50)=1億800万円

タイヨーエレック/佐藤昭治会長(79)=1億0606万円

フィールズ/山本英俊会長(54)=1億6900万円

※カッコ内の数字は年齢。FGはフィナンシャルグループ、HDはホールディングス

 

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