復興のカギ握る「黄金の60代」

★「GS世代研究会」第1回幹事会

2011.04.20


(左から)西村晃氏、小野食品代表取締役・小野昭男氏、ヤマト運輸戦略部長・岡村正氏、ハリウッド代表取締役・牛山勝利氏、松阪市長・山中光茂氏、歌手・マイク真木氏、料理研究家・藤井まり氏【拡大】

 「GS」って何の略?と聞けば、40代以上なら迷わず「グループサウンズ」と答えるだろう。だが、「GS世代」となると少し意味が変わる。ゴールデン シクスティーズ=黄金の60代だ。貯蓄も時間もたっぷりあり、日本の「最後の富裕層」といわれる60代の消費行動を研究し、新たな消費提案をしようという趣旨の研究会。その初会合が18日、東京・六本木で開かれた。

 研究会の発案者で座長をつとめるのは、経済評論家の西村晃氏(54)。日本の消費スタイルを牽引する団塊世代の定点観測を長年続け、その集大成となる著書『GS世代攻略術』(PHP)を先ごろ出版。同書の“理論”を具体的に“実践”するべく研究会を立ち上げた。

 研究会の幹事会社は1業種1社の条件で集まった。ヤマト運輸やイトーヨーカ堂、北洋銀行など22の企業・団体が趣旨に賛同、会の設立準備を進めていた矢先、東日本大震災が起きた。

 「震災は日本人の価値観を大きく変えました。その時代認識のもと、私たちはGSに新たな2つの意味−ジェネラル・サティスファクション(普通の満足)とグローバル・セキュリティを加えました。3つのGSを柱に、何ができるかを検討・実践する場へと転換したのです」(西村氏)

 かくして研究会は、団塊世代のマーケティングという当初の趣旨から大きく幅を広げることになった。初会合には、2月に立ち上げたばかりの新事業所が被災した幹事会社「小野食品」(岩手県釜石市)の小野昭男代表取締役も出席。「第1工場は壊滅したが第2工場は浸水だけで済んだ。6月中には生産を再開し、地元水産業のプラットホームになりたい」などと語り、大きな拍手を浴びた。他の幹事各社も被災地支援と復興策を次々に発表するなど、さながら“復興会議”の様相となった。

 会の場所を提供した化粧品のハリウッド代表取締役、牛山勝利氏は、「ここ(六本木)も65年前は(戦争で)がれきの山だった。日本は必ず復興できる。連帯して頑張りましょう」とあいさつ。自治体として参加した三重県松阪市の山中光茂市長(35)は「被災地を訪れたが、今日の当たり前の幸せが、明日の当たり前ではないことを痛感した。“当たり前”をどう守っていくかが課題」と提言した。

 震災が参加企業の問題意識ときずなを強めた格好。西村氏は「テーマが大きくなりましたが、消費力の大きいGS世代は復興のカギを握っており、この世代の研究には大きな意義があります」と強調した。

 研究会では今後、一般企業や個人を参加者として広く募り、シンポジウムなどを通じて啓発を図る。同時に、参加企業同士の共同事業なども積極的にコーディネートしていく方針だ。(佐々木浩二)

 

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