【ビジネスの裏側】USJ 1年間で2度の値上げ その強気の理由は…

2013.01.15


USJの「ユニバーサル・ワンダーランド」。家族連れ層にも人気を広げた【拡大】

 米映画のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ・大阪市此花区)が、1月10日から1日入場券「スタジオ・パス」を200円値上げした。新価格は12歳以上の大人が6600円。値上げは昨年4月にも同額で実施しており、1年もたたない間に2度目となる。いかに入場客推移が好調とはいえ、デフレ下に、なぜ強気の値上げを続けるのか。

 ■11年間で2割アップ

 USJの入場料は、平成13年の開業時は5500円だった。数百円程度の値上げを繰り返し、開業から11年で1100円、約2割をアップしたことになる。

 USJは、値上げの理由を「アトラクションやイベントへの投資でパークの魅力を高めていくため」とする。実際、昨年3月には子供向けの新エリア「ユニバーサル・ワンダー・ランド」をオープンしたほか、平成26年にはハリー・ポッターをテーマとした新エリア建設も予定されるなど、設備投資が続いている。

 とはいえ、日本の経済は長期にわたってデフレ傾向が続く。いくら設備投資に資金が必要といっても、物価が上がらない中での値上げは、消費者から見れば割高感が増すだけ。下手をすれば入場者離れにつながりかねない。

 「アトラクションの増強という理由で値上げするのはテーマパーク側の論理」と指摘するアナリストもいる。

 ■日本のエンタメは“安すぎる”

 それでもUSJが入場料値上げに踏み切るのはなぜか。ひとつに、ここ数年のてこ入れにより、入場者数が好調に推移していることがある。

 ユニバーサル・ワンダーランドの開業で客層が家族連れに広がったほか、キャラクターショーやクリスマスショーも人気で、いったん落ち込んでいた入場者数もここ2年ほどで回復。昨年4月の入場料アップ後も好調に推移し、今年度は開業年以来の年間入場者数1千万人超が視野に入っている。

 USJはもうひとつ、理由をあげる。USJの入場料が“安い”ことだというのだ。

 根拠のひとつとしてあげるのは、米国でのテーマパークの価格だ。同様の1日入場券の価格をみると「ユニバーサル・スタジオ・フロリダ」(フロリダ州)は88ドル、「ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド」(カリフォルニア州)は80ドルだ。また、ディズニーランド(同)は87ドル、ウォルト・ディズニー・ワールド(フロリダ州)89ドルとなっている。

 1ドル=87円で計算すると、約7000〜7700円。円高下にあっても、USJより高い水準にある。

 一方、東京ディズニーランドは、ほぼUSJと同じ水準で推移しているが、現在は6200円と、USJより400円安い。

 USJ幹部は「個人的にだが、日本はテーマパークに限らず、エンターテインメントの対価が低いと感じる」と指摘する。

 来場者がエンターテインメントの対価としていくら支払うかという料金は、アーティストやサービスに対する価値を表すひとつの指標ともいえる。

 この幹部は「価値のあるものを提供し、価格アップという形で提供したものの地位をあげていくことも、われわれの役目ではないか」と主張する。

 ■どこまで値上げ?

 USJが今後どこまで値上げを続けるかは、もちろん経済情勢や消費者の動向によるだろう。ただ、現在はフロリダにしかないハリー・ポッターエリアを450億円投資して完成させるほか、今夏にも大型アトラクションを計画するなど、投資が施設の魅力に反映されれば、USJの集客力が高まっていくことは間違いない。

 USJが今年度、スローガンに掲げるのは「世界最高をお届けしたい」だ。約束通り、世界最高レベルのエンターテインメントがきちんと提供され、ファンが納得しさえすれば、“米国並み”という価格の目安はあり得るのかもしれない。

(阿部佐知子)

 

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