「ネット社会+金融」の新たな個人投資 中小企業の新たな資金調達

2013.07.03


ネットを使った新しい金融市場の開拓が進んでいる【拡大】

 インターネットを利用した新たな資金調達の波が押し寄せている。ネットを経由して小口の投資資金を集める「クラウドファンディング」と、ネットを介して資金の貸し手と借り手をマッチングさせる「ソーシャルレンディング」である。この2つの波は、ネット社会と金融を結びつけた新たな潮流を予感させる。

 「クラウドファンディング」は米国で急成長している新たな投資の仕組みである。新興企業の未公開株式などにネット経由で個人が直接投資するもので、企業が集められる資金は年間100万ドル(約1億円)。個人にも出資制限があり、年収5万ドルの人が出資できるのは2500ドルまでとなっている。未公開の新興企業株への投資は、新規株式公開(IPO)をすれば大きな値上がり益が期待できる一方、失敗して無価値になる可能性も高い。投資にのめり込むあまり、財産を失う個人が出ないよう、一定の歯止めがかけられている。

 「クラウドファンディング」の市場規模は、米調査会社によると2013年に51億ドル(約5100億円)と、前年比9割程度増えると予想されている。

 一方、「ソーシャルレンディング」は、個人間の融資の仲介をネットで行う仕組みで、会社設立から日が浅い新興企業が、短期で少額の融資を募るほか、担保が乏しく銀行融資を受けにくい中小企業の新たな資金調達手段として急速に市場規模を拡大している。日本では2008年に「maneo」がサービスを開始して以降、「AQUSH」、「SBIソーシャルレンディング」などが参入し、ひそかなブームを呼んでいる。

 「ソーシャルレンディング」は、知っている人同士か知らない人同士のサービスに分けられる。さらに、知らない人同士のサービスは「マーケット型」と「オークション型」に分けられる。日本の主流は知らない人同士のサービスで、「AQUSH」や「SBIソーシャルレンディング」はマーケット型、「maneo」はオークション型に分類される。

 マーケット型はサービスの運営会社が借り手を審査し、格付けを行う。一方、貸し手側も希望するリスクリターンに見合った格付けと金利、融資額を決める。両者をサービス会社がマッチングさせて融資が実行される。株式や債券市場のように貸し手の希望条件に応じて金利がタイムリーに変動するのが特徴。

 オークション型は、融資を希望する借り手側が借り入れ目的や信用度をアピールし、貸し手側はそれらを判断材料に融資額を決める。金利は貸し手側の入札で決まり、通常、一番安い金利で入札した貸し手が融資の権利を得る。

 「ソーシャルレンディング」の最低貸付金額は数万円から、平均100万円程度の融資が中心になっている。ただ、「クラウドファンディング」、「ソーシャルレンディング」とも、新興企業や中小企業を対象にする。

 投資リスクや貸し倒れリスクも高い点には留意する必要がある。

 ■森岡英樹(もりおか・ひでき) 1957年、福岡県出身。早大卒。経済紙記者、埼玉県芸術文化振興財団常務理事などを経て2004年4月、金融ジャーナリストとして独立。

 

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