消費増税導入で税収総額は増えず 5%にアップ後15年は13敗2分け

2013.08.09


惨憺たる97年度の消費増税効果【拡大】

 デフレ下ではモノやサービスの売り上げが縮小する。そのモノ、サービスにかかる消費増税がデフレをさらに促進するという、経済学上の真実を国民の多数が知っている。

 その証拠に、世論の大多数は消費税率の据え置き、あるいは引き上げの大幅延期を求めている。にもかかわらず、消費増税を予定通り断行すべしと主張する自民、公明、民主党3党の議員たち、すなわち“増税翼賛会”の面々は夏休みに200万円もの公費、つまり税金を使って「海外視察」に興じる暇があったら、国内で1日だけでもよい、お抱え運転手付きハイヤーではなくタクシーに乗って運転手に聞いてみればよい。

 昼飯は300円の牛丼、それを食べるために駐車して300円を払う毎日。来年4月からは消費増税。料金を値上げすれば客は減るので増税分を転嫁できない。雇われ運転手たちは1日の上がりが5万円なら、そのなかから3%、1500円を差し出し、1日の給与はそれだけ減る。

 サラリーマン諸公ならその無念さは分かるだろう。勤め先が価格転嫁できないか、売り上げが減るなら、そのツケは社員に回る。さらに国庫そのものにも回る。グラフは1997年度の消費税増税後の政府一般会計の消費税収と消費税を除く税収が97年度に比べてどうなったか、その増減の推移を追っている。

 消費税率を1%引き上げると、約2兆円、一般会計消費税収が増える。97年度の消費税率引き上げ幅は2%なので、毎年度4兆円の消費税収アップである。

 では、税収全体が増えたのかというと、98年度以来昨年度までの15年間のうち13年は、税収合計が97年度を大きく下回った。2000、07年度はプラスになったが、プラス幅は誤差の範囲内といえるほど極小なので、いわば0勝13敗2引き分けである。

 財政収支悪化の原因はデフレ、その引き金を引いたのが消費増税である。その政策を推進、擁護してきた政治家、財務官僚と御用学者は、責任を問われるか、恥じて職を辞すのが当然なのに、誰もそうしない。それどころか、消費増税とデフレは無関係と言い張り、昨年秋に消費増税の3党合意を推進、あるいは支持する始末だ。

 翼賛メンバーがこうも国内の主流を構成しているのだから、誰かが責任をとれば自分もとらされるのが怖い。だから開き直って「もっと増税しろ」と合唱する。お粗末なことにメディア大多数が唱和している。批判する言論人は拙論のような極少数派に過ぎない。陰湿な官僚に至っては、メディア・トップに増税批判記者排除圧力をかける。ファシズムである。

 本グラフと違って、今度ばかりは増税で税収総額が増えて財政再建できるのか。増税後の税収の見通しは、官僚が支配する弾性値次第でどうにでもなる。だまされないためには結果責任という担保がいる。官僚も政治家もメディアも御用学者も増税して財政が悪化すれば責任を負うと、国民や読者に約束すべきなのだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)

 

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