Sansan・寺田親弘社長 名刺のデータベース化“お宝”管理

★Sansan・寺田親弘社長(36)

2013.08.20

 古くて新しい課題である名刺の管理。それを一つのビジネスに作り上げたのがSansanだ。専門的にはクラウド名刺管理サービスと呼んでいるが、その成功を見て大手から中小までこの分野に参入。業界は乱戦の様子を極めるものの、毎年2ケタの成長率を維持する。国内のみならず海外も視野に入れ、新しい名刺管理サービスを展開しようとする同社。目が離せない注目のベンチャーである。

 −−名刺の管理はサラリーマンの悩みのタネで、その結果、ほったらかしというのが現実です。そこを解決するビジネスを立ち上げました

 「名刺の整理は皆さん共通の悩みで、三井物産時代も外にいる先輩から『俺の机の上に名刺の束があるから、そこの上から何番目くらいに××さんの名刺がある。探して電話番号を教えてくれ』とよく電話がかかってきました。そんなことが日常茶飯事でしたね」

 「また、物産時代、新規事業に携わったのですが、A社の営業部に米国から持ってきた新商品を紹介してみたいと思った。その時、一番効率が良く確実性があるのは、A社に人脈を持っている人の紹介を得ることです。しかし、それが社内のどこにいて、何という人だかわからない。そのとき名刺情報をデータベース化して、インターネット上で共有する社内システムがあったら便利だろうな、と感じた。それがいま『Sansan』と名付けている名刺管理サービスにつながっています」

 −−システムを開発するまでの苦労は

 「名刺ってなんで管理のIT化が進まないかといえば、紙だからなんです。紙は検索できないし、データのコピーもできない。他の人と分け合うこともできない。これをいかに簡単に早く正しくデータ化するかが課題でしたが、オペレーターが手入力することで、そこを突破しました。もう1つはそのデータベースを使いこなすため、いろいろなソフトウエアをいかに組み合わせるかに知恵を絞ったことですね」

 −−この名刺管理サービスは、どのように活用すれば一番便利なんですか

 「ヤフーやグーグルと同じように、検索すればすぐに情報が出てくるというのは、時間の節約になります。それと同じくこのシステムを使えば、無駄な時間がなく必要な情報にアクセスできる。もう1つは名刺情報が共有されていることによって、組織の中で誰が誰を知っているかが簡単にわかり、無駄なく営業ができる。無駄なく営業ができるということは、営業が強くなっていくことにつながっていきます」

 −−Sansanが07年に初めて「クラウド名刺管理サービス」へ進出以来、キヤノングループなどこの分野へ参入する企業が増えています。先発企業として、どう闘っていきますか

 「当社が目標としているのは、われわれのサービスを使うことによって営業が強くなることなので、実際そういう事例がたくさん出てきていることは、大変心強く思っています。『お宅のサービスを入れてから、売上高が上がったよ』『営業が強くなったよ』といわれたときが、一番価値を実感できた瞬間でもあり、喜びの瞬間でもありますね。当社の場合、『営業を強くする名刺管理』をキャッチフレーズにしてますから」

 「したがって新規参入についてはまったく気にしていません。市場ができてまだ7年という若い業界でもあるし、ライバルを気にするよりも、新しいサービスや商品を開発しての市場の開拓、人材の育成などやらなければならないことがたくさんある。年内に新しい商品モデルの発表を行い、海外市場への進出も考えています」 (宮本惇夫)

 【趣味】

 体を動かすこと。週に1〜2回自宅(東京・代々木上原)から会社まで走って通勤。40〜50分。「健康と経営者としての責任からで、健康でいないと経営者は判断を間違います」

 【読書】

 ドラッカーの信奉者で著書はすべて読了。経営もドラッカーイズムがベース。

 【好きな言葉】

 「強みを活かす」。これもドラッカーの言葉で、同社の企業理念、企業姿勢に。「弱みではなく強みに着目して仕事をしていこうが合言葉」

 【尊敬する経営者】

 ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長。「すごい経営者です」

 【家族】

 妻と2女(3歳、0歳)の4人家族。

 【サテライトオフィス神山ラボ】

 新しい働き方を体現するため2010年10月、徳島県神山町に築70年の古民家を再利用したサテライトオフィスを開設。「通常と変わらない環境で仕事ができます」

 【強マッチ】

 「強みを活かす」という理念に基づき、朝会で毎日社員一人ひとりの「強み」に関するワークショップを行っている。社内では「強マッチ」と呼んでいる。

 【テ・ランチ】

 寺田社長と社員が1対1でランチをする通称「テ・ランチ」が社風の1つ。社長とざっくばらんにコミュニケーションし、直接意見を伝える場としている。

 【Know Me(のーみー)】

 社内の他部署で過去に飲んだことがない人と、2〜3人までの範囲で飲みに行くと、会社から1人に付き3000円の補助が出る。リフレッシュと、お互いを知り交流を深めることを目的とした社内活性化策。

 【社内Bar】

 月に1度オフィス内でパーティーを開催。入社予定者、家族、友人など社内外のコミュニケーションに活用している。

 【在宅勤務制度】

 子育て中のイクメンに好評という。

 【どにーちょ】

 出勤日振り替え制度。生産性を高めるために、平日の出勤日を土、日曜に振り替えることができる。

 【会社メモ】本社・東京都千代田区。名刺管理サービス関連のITベンチャー。2007年6月設立。資本金3億3500万円。社員数100人(パート、アルバイトを含む)。法人向け事業の契約数1000社、個人向け事業のユーザー数20万人。売上高非公開。

 ■寺田親弘(てらだ・ちかひろ) 1976年12月生まれ。36歳。東京都出身。99年3月、慶応義塾大環境情報学部卒、三井物産に入社。情報産業部門でコンピューター機器の輸入、システム開発、ジョイントベンチャーの立ち上げ等に従事後、米国シリコンバレーに転勤。米国最先端ベンチャーの日本向けビジネス展開を担当した。帰国後は自ら持ち帰ったデータベースソフトウエアの輸入販売を社内ベンチャーとして立ち上げる。2007年5月、三井物産を退職し、4人の仲間とともにSansanを創業。01年、駐日米国大使賞を受賞。

 

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