さんわグループ、大量生産&消費の時代からお土産やギフト市場開拓へ転換

★さんわグループ(2)

2013.09.05

 「鶏三和」などの屋号で店舗展開している「さんわグループ」の歴史は1900(明治33)年、飼料や肥料、雑穀などを商った伊藤和四五郎商店の創業に始まる。その後33(昭和8)年に愛知県知多郡大高町に4万坪の広大な農場を建設、養鶏事業を始めた。当時、名古屋コーチンなど8万羽を飼育していたという。

 名古屋コーチンは正式には「名古屋種」といい、卵もよく産み肉もおいしいことで知られる。肉質が弾力に富み、しまって歯応えがよく「こく」のあるうま味が特徴だ。

 昭和30年代まで日本ではチキンやブロイラーという言葉は一般的ではなく「かしわ」と呼ばれていた。しかし卵を産まなくなった老齢化した鶏の肉である「かしわ」は、硬くおいしさはあまり感じられなかった。

 そこで「若どり」という造語を考えだし、若年期の鶏肉は柔らかく、おいしいと名古屋地区を中心にラジオやテレビのCMなどでキャンペーンしたのが「さんわ」だった。「GS世代」にはこのCMを覚えている人たちが多い。

 その後、高度成長時代にスーパーマーケットが台頭する。「名古屋地区で創業したユニーはもともと衣料品の出身、食品売り場充実のために『若鶏のさんわ』に出店要請があり、店舗展開に力を入れました」

 さんわグループの古川隆会長はこう語る。

 その後スーパーが直営の鶏肉売り場を拡充すると、さんわはそこに卸す業態に力を入れた。

 「いち早くタイに合弁会社を設立、鶏肉を安く卸す態勢を整えるなど時代に対応してきました。しかしバブル崩壊後は、大量生産大量消費の時代は去り、低価格で勝負するだけではなく、名古屋コーチンを中心とした付加価値商品としてブランドを確立してゆくべきという判断から、百貨店での販売、お土産やギフト市場の開拓へと方向を転換してきました。結果的にやわらかく低カロリーな鶏肉であることも幸いし『GS世代』向けのビジネスに転換できていると思います」(古川会長)

 「さんわグループ」は鶏肉専門でありながら、生肉、焼き鳥などの総菜、弁当、親子丼の飲食店、コラーゲン鍋などのギフト商材、駅や空港、サービスエリアなどでのお土産品など販売商品の多様化をはかってきた。

 「同業の食品業界よりもむしろセレクトショップのようなファッション業界に事業拡大のヒントがあると、日ごろから視野を広く持ってリサーチしています。日本の食のマーケットは縮小しているという見方もありますが、鶏肉というたった一つのジャンルの中にさえたくさんの選択肢があり、やり方によってまだまだ需要は開拓できると思っています」

 古川会長はこう胸を張った。

 ■西村晃 1956年生まれ。NHK、テレビ東京を経て、経済評論家。「GS世代攻略術」(PHPビジネス新書)、「ポスト・イット知的生産術」、「ルート16の法則」など著書多数。

 ■GS世代 可処分所得の高い「黄金の60代(ゴールデンシックスティーズ)」の略。グループサウンズ世代も意識したネーミング。

 

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