「女性目線」のスーツケースが大ヒット! 軽い、美しい、かわいい

2013.10.23

 「女性目線」開発の商品が増えている。女性ならではの生活者の視点が、新たな価値を創造、新たな顧客層の開拓につながるというのだ。

 エースが2011年に発売した『プロテカ「ラグーナライト」』は「女性にとって本当に使いやすいスーツケース」に徹し、年間2万本売れると大ヒットといわれるスーツケース市場で、発売以来4万5000本を超える大ヒットとなった。

 デザインを担当したのは、入社1年目(当時)の久世温子さん。1940(昭和15)年創業の同社にとって、入社1年目の女子デザイナーの起用は初めてのことだった。

 背景には、リーマン・ショック(2008年)以来の出張減や、東日本大震災(11年)、タイの洪水(同)などによる安近短への旅行の変化がある。そのためスーツケース市場は縮小傾向にあった。

 しかし、例外が一つ、「女子旅」市場の登場である。10年に羽田国際ターミナルがオープン、LCCの登場で海外旅行が注目され、その中心が女性だけで旅する「女子旅」。女子旅だけではなく、女性だけで飲み食いする「女子会」など女性同士の消費市場を「女子会市場」というが、その規模1兆7000億円(11年、共立総合研究所試算)ともいわれる。

 これまでスーツケースには「色に女子を意識したものはあっても、デザインや重さにまで配慮したものはなかった」(久世さん)。新しい「女子旅」市場には、スーツケースの経験ゼロ、芸大を卒業したばかりの久世さんの感性が、逆に先入観なく挑めると期待された。

 『ProtecA(プロテカ)』は同社のスーツケースの中心ブランドだが、当時の久世さんは、「それすらピンときていなかった」という。その分、自分が思う理想を押し通すことができた。

 久世さんが徹した「女性目線」は、

 (1)女性が楽に持ち歩ける「軽さ」。なぜなら、「女子旅は自分で持つから、重いのは嫌」。そのため素材を変え、車輪のホイール部分をはじめ、使用上問題ない部分は全てそぎ落とし、35L(機内持ち込みサイズ)で2・2キロという史上最軽量を実現した。

 (2)女性は「見た目が第一」、従来にない「曲線」を側面のリブ(凸凹)に採用、美しい、かわいいを実現した。

 (3)色は全6色。名前もマーメードピンク、サンオレンジ、フロートブルーなど「女子好みのネーミングと配色に配慮」。

 久世さんは100枚以上デザイン画を描きまくり、やっとここへ辿り着いた。

 CMには女性に支持の高い、元AKB48の篠田麻里子を起用し、「軽さ」を訴えた。「女性は男性より行動的」なので、テレビで注目するとすぐに店へ行く。店頭では篠田のPOPとCMメーキング映像で商品の美しさ・かわいさ・軽さを伝え、商品を手に取りながらその場で確認できる状況を作った。

 デザインから販売まで徹底的に女性に配慮、スーツケースに「女子旅市場」を創出し、大ヒットとなった。(村上信夫)

 

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