「くらコーポレーション」田中邦彦社長 酢メーカー営業マン時代に商機発見

★「くらコーポレーション」田中邦彦社長(62)

2013.11.25

 家族そろっての外食は、もっぱら回転寿司という人が増えている。その回転寿司チェーンのビッグ3の一角を占めるのが、くらコーポレーション(大阪)が展開する「くら寿司」だ。回転寿司でありながら無添加にこだわり、新しいシステムも次々と導入している業界の革命児。田中邦彦社長(62)は、50件以上の特許を持つアイデア社長でもある。

 1951年、岡山県総社市生まれ。家業の八百屋(よろず屋)を手伝いながら野山を駆け回る少年時代を過ごし、桃山学院大時代に学生結婚。「自立」のために就職した酢のメーカーの営業で寿司店を回るうち、旧態依然とした寿司店という世界にビジネスチャンスを見いだす。

 「担当した寿司店は経営がずさんでも、もうかっているようでした。だから私が『もっとこうすれば』といっても耳を貸さない。営業としては辛いですが、私は起業を考えていたので、逆にチャンスととらえることができました。大阪の堺市で持ち帰りと出前専門の寿司屋をオープンさせたのです」

 77年、26歳のときである。

 回転寿司業界への参入は84年。時代はバブルに向かっていく頃、回転寿司店は雨後のタケノコのように生まれ、くら寿司は大手を追いかけるようにスタートを切った。

 くら寿司では経理システムをいち早くコンピューター化。時間がたった寿司を自動的に破棄する「時間制限管理システム」をはじめ、直線型レーン、タッチパネル式注文システム、皿カウンター、子供に大人気の「ビッくらポン!」など、新たなシステムを次々と導入した。その中には特許を取得しているものも数多い。

 ただし、合理化だけではない。くら寿司では化学調味料、人工甘味料、合成着色料、人工保存料を全食材に使用しない。当然、コストもかかる。

 「コストよりも大事なことがあります。体に取り入れても何ひとつ問題がないものを食べていただくというこだわりがなければ、くら寿司とはいえなくなる」

 これがくら寿司の生命線であり、田中氏の真っすぐな生きざまである。 (細見昇市)

 ■ほそみ・しょういち 1963年生まれ、京都市出身。大学卒業後、リクルートを経て93年に戦略型求人広告代理業務「キイストン」を設立。「波乱」に満ちた経営者ら2万人と会ってきた経験を生かし、人材採用コンサルタントとして活躍。当連載名もあえて「波乱万丈」とした。著書に「リクルート式 一瞬で人事担当者の心をつかむ方法」(PHP研究所)など。

 

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