平山建設・平山秀樹社長 “地元詣で”揺るがぬ老舗 リーマン後でも好業績

★平山建設・平山秀樹社長(47)

2013.12.03

 国際空港とお不動さんの街として知られる千葉・成田。国際都市のこの地で112年の歴史を誇る総合建設会社が平山建設だ。外に目を向けるのではなく、足元の成田に着目し、知恵と汗でリーマン・ショックを乗り越えた。技術開発を追求し、丈夫で長持ちする「100年住宅」を提唱している。(宮本惇夫)

 −−成田のお不動さん詣での参道が、見違えるようにきれいになりました。電柱は地下に潜り、道路幅が広くなり、専用歩道もある。平山建設も活躍されたようで

 「セットバック事業と呼ばれるもので、沿道の各店舗は、一軒一軒の協力により軒先を2メートル後退させ、歩道として整備されました。96年から参道の方々の提唱で始まった事業なのですが、成田市がセットバック用地を買い取るようになって、再開発の進展が早くなった。われわれは、その建て替えや街づくりに知恵や汗を求められています」

 −−知恵とは

 「やはり門前町・成田にふさわしい店や建物を…ということです。千葉興業銀行成田支店の場合は、歌舞伎絵を描いた和風店舗。千葉信用金庫は一面白壁のこれまた和風の店舗といった具合に『らしさ』を表現させていただいた。街づくりに絡み、成田を代表する企業・米屋の諸岡孝昭(前成田商工会議所会頭)邸の建て替えも請け負わさせてもらいました。とにかく旦那衆は街を良くしていこうという“成田ラブ”の気持ちが強いので、軒先を2メートル下げてほしいというむちゃな提案も、いやな顔をせずに聞いてくれました」

 −−売上高で成田地区の占める割合は

 「7〜8割に達します。実は10年ほど前までは、反対に7〜8割が成田外の仕事だった。それこそ横浜や埼玉など遠くまで出かけて仕事をしていました。座禅の師から『平山さん、足下の成田、もっと大事にしなければ』と言われたり、業界の先輩から『建設業はやはり地元じゃないのか。どれだけそれを深掘りするか、それが大事じゃないのか』と忠告されたりしたこともある。そんな忠告やアドバイスを聞く度に『僕らは外へ出ていかないとダメ。さもないと40人の社員を食べさせていけないじゃないか』と真っ赤になって反論したものです」

 −−いまの成田市の人口は13万人強ですが、当時は9万人そこそこでした

 「しかし、次第に故郷回帰を考えるようになっていった。成田外で仕事をしても1つ1つに連携がなく、つながってこない。そこで故郷を深掘りすることの大事さを学び、全力を向けるようにしました。街の発展という要素もありますが、深掘りしていけば40人、50人が十分食べていけるだけの仕事が、成田にあることに気が付いた。参道の仕事であったり、航空会社の社員寮であったり」

 −−リーマン・ショック後のデフレ時代でも業績を伸ばしてきた

 「10年前、20億円前後だった売上高が、先期やっと30億円強にもっていくことができた。するとあちこちから声がかかってきた。『オ! 平山、参道で頑張っているじゃないか』と。その1つが千葉・中山の法華経寺参道の商店からの依頼で、店の建て替え仕事です。成田山参道での実績が目に留まったようで、今度は成田から外へと仕事が広がっていっている。これは“成田ラブ”、深掘り策の成功だと思っています」

 【読書】

 乱読でノンフィクション系が好み。「最近読んで印象に残ったのは『ザ・クオンツ』(スコット・パタースン著)。計量分析に基づく投資手法を考案した天才トレーダーたちの、リーマン・ショックに至るまでの姿を描いた本です。不動産ファイナンスと似た世界だっただけに面白かった」

 【ゴルフ】

 四半期に1回程度。「先日120人のコンペでブービーでした」

 【座禅】

 毎朝30分、座禅を組む。「10年前、後継者指名を受けたとき、忙殺され、お酒でストレスを解消し、肝臓を痛めた。座禅を組むようになって回復。毎朝階下から同居の父親の尺八の音が響き、心地よい30分に」

 【庭園行脚】

 建設業者として近年、庭園の大事さを知り、各地の庭園を時には泊まりがけで見て歩いているという。「建物と庭をどう一体化させるか。深いテーマです」

 【八條目】

 中国古典の「大学」にある八條目の中の言葉、「物格、知至、意誠、心正、身修、家斉、国治、天下平」を社長室に掲げている。

 「その国を治(おさ)めんと欲する者は、先(ま)づその家を斉(ととの)ふ。その家を斉(ととの)へんと欲する者は、先(ま)づその身を修(おさ)む。1つのことに対して努力を続ける。それは身をおさめることにつながり、身がおさまれば家も整う。子孫や家族の繁栄につながる」。座右の銘でもある。

 【尊敬する人物】

 第一は父親の金吾氏。「人間は生きる上で生活習慣や行動が最も大事。行動の大切さを有形無形で父親から教わりました」

 ほかに麗澤大学、モラロジー研究所創立者の廣池千九郎、京セラ創業者で盛和塾塾長の稲盛和夫氏。

 【隔世教育】

 長女(大学4年)、次女(高校2年)、長男(中学2年)と3人の子供の教育はもっぱら金吾氏が担当。子弟教育は隔世教育がいいというのが金吾氏の持論で、その金吾氏も父親より祖父(金吉氏)の教育の方が、印象に残っているという。

 【会社メモ】 千葉を地盤とする中堅総合建設会社。本社・千葉県成田市。創業1901(明治34)年。初代・平山金吉氏が木材、薪炭の営業を始め、16(大正5)年に成田の地で建築請負業に進出。62(昭和37)年に平山建設として独立した。資本金1億円、売上高約30億円(2013年6月期)。従業員数50人。

 ■平山秀樹(ひらやま・ひでき) 1966年6月生まれの47歳。千葉県出身。筑波大学を卒業後、東急不動産に入社。93年、同社を退社し、アメリカン大学ビジネススクールに入学。不動産ファイナンスと都市開発を専攻し、MBA(経営学修士)を取得。95年に卒業し、同年、平山建設に入社した。2000年「センターホテル成田」の社長。05年8月から現職。

 

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