「MOOC」の可能性 オンラインで学業&就職が可能な時代がくるか

★レッツ!ネット「ワーク」

2013.12.06

 日本の教育が、いよいよ本格的に変わる。「JMOOC」(Japan Massive Open Online Courses、一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会)が正式に設立されたというニュースを聞いて、そんな予感がしている。

 MOOCとは、有名大学などが無料でインターネット上に公開している講義のこと。JMOOCは、それを日本で推進するために設立された組織だ。始まりは2012年に米国で公開された無料オンライン講座で、スタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)、ハーバード大学、カリフォルニア大学バークレイ校が参加した。インターネットの普及と同時に瞬く間に全世界に拡大し、今年からヨーロッパやアジア、オセアニアなどのトップレベルの大学も参加。49カ国の277組織が約2万5000科目を公開し、学習到達度とスキルの認定も行っている。受講者は現在、約20万人いるそうだ。

 日本でもすでに東大や京大の無料講義をインターネットで見ることができるが、同協議会の発足により、多くの大学の良質な講義を入学せずとも受講できるようになる。これは教育界の革命とも言えるが、この革命は教育界だけでなく就職市場やその関連業界にも大きな影響を与えることになるだろう。

 なぜなら、この取り組みはインターネットでの無料受講だけでなく、成績評価も行われ、それを企業が有料で閲覧できる仕組みも用意されているからだ。たとえば、特定の分野の優秀な人材を確保することが目的の人事担当は、この仕組みを使って会社が望む優秀な人材をピンポイントで発掘できるようになる。

 さらに、本人とスカイプなどの無料ビデオ通話でコンタクトすることも可能なので、人柄や希望などの確認がダイレクトに行える。本人のブログやフェイスブック、ツイッター、LINEなどのSNSを閲覧することで、生き方や価値観、趣味、生活の様子なども知ることができる。従来のように、初対面での面接で一か八かの採用を決めることに比べれば、リスクは大幅に減るわけだ。

 MOOCとSNSによって専門分野の才能と人柄が見分けられるようになると、雇う側も雇われる側も納得のうえでの入社となる。企業は的確な人材確保ができ、新入社員がすぐに辞めてしまうということも減るだろう。教育の改革が就職市場に変化をもたらすのだ。

 たとえば、70万円程度の学費で放送大学を卒業して学士を取得、自分の才能を生かす東大の講義を無料で受講し、高得点の評価を受ければ一流企業からオファーがくるという学生も誕生するかもしれない。

 さらに、こうした流れが加速することで、独自性のない科目や講義、研究活動などを安穏と行ってきた大学は、自然淘汰されそうだ。有名大学に入れることだけを目的としている受験産業も、専門科目で優秀な成績をあげるための勉強方法に目を向ける必要性が出てくる。いずれも、大幅な業務革新を迫られることになるだろう。

 就職の斡旋や人材派遣を行っている業界も同様だ。企業の人事部が人材を容易に発掘できるようになれば、人材業界は新たな付加価値を開発する必要に迫られる。ネットで無料の講義を流すだけで、これだけ大きな変革が起き、多くの業界、関係者が影響を受けるのだ。 (久保田達也)

 

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